• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 研究成果報告書概要

イヌパラサイロイドホルモン受容体の細胞情報伝達機構とその病態生理学的意義

研究課題

研究課題/領域番号 07456129
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 基礎獣医学・基礎畜産学
研究機関北海道大学

研究代表者

伊藤 茂男  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (40109509)

研究分担者 太田 利男  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 講師 (20176895)
研究期間 (年度) 1995 – 1996
キーワードイヌパラサイロイドホルモン / PTH受容体 / cDNAクローニング / ノーザンブロット解析 / 環状AMP / 平滑筋 / 細胞内Ca濃度 / 膜電位固定法
研究概要

(1)イヌ肝臓と腎臓のcDNAライブラリーよりパラサイロイドホルモン(PTH)受容体をコードするcDNAクローニングを行った。イヌPTH授与体は7個の膜貫通領域を持つ蛋白質で、ヒト、ラット及びオッポサムとの類似性は、アミノ酸レベルでは95.3%、88.0%、79.1%であり、ヒトのそれと最も高い類似性を持つことが示された。また、イヌの各組織のノーザンブロット解析を行ったところ、腎臓、肝臓、脳、大動脈、骨髄において、陽性シグナルが得られた。(2)ラット前腸間膜動脈のリング標本を用いて、各種薬物による収縮反応と細胞内Ca^<2+>濃度に対するPTHの作用を調べた。PTHは高濃度K^+よりもフェニレフリンによる収縮と細胞内Ca^<2+>濃度上昇を強く抑制した。また、PTHはカフェインによる細胞内Ca^<2+>ストアからのCa^<2+>誘発性Ca^<2+>放出作用に影響を与えることなく、フェニレフリンによるイノシトール三燐酸誘発性Ca^<2+>放出を抑制した。PTHは高濃度K^+による細胞内Ca^<2+>濃度増加に大きな影響を与えることなく、収縮反応を優位に抑制したころから、平滑筋の収縮蛋白質を直接抑制していると思われた。PTH受容体を介する細胞内情報伝達は、興奮性G蛋白質が関与しアデニール酸シクラーゼの活性化を起こすと考えられた。(3)消化管平滑筋において細胞内Ca^<2+>ストアから放出されるCa^<2+>の作用及びストアへ取り込まれるCa^<2+>の源を調べた。ストアから放出されたCa^<2+>は収縮のみならずCa^<2+>依存性K^+チェネルを活性化させた。また、電位依存性Ca^<2+>チャネル以外のCa^<2+>チャネルから流入したCa^<2+>がストアに効率的に取り込まれており、これらの過程に環状AMPが作用すると考えられた。
以上の成績はイヌPTH受容体はヒトのそれと類似性が高いこと、またこの受容体はGsタンパク質を介してアデニレートシク-ラゼと共役しており、過剰な刺激は環状AMPを介するタンパク質燐酸化が生ずることが示唆される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shigeo Ito: "Inositol 1,4,5-trisphosphate-induced Ca^<2+>-transient and outward K^+ current in single smooth muscle cells of guinea pig small intestine" Japnese Journal of Pharmacology. 71. 1-10 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Mitsuyasu Tabo: "Effects of external K^+ on depletion-induced Ca^<2+> entry in rat ileal smooth muscle." European Journal of Pharmacology. 313. 151-158 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Shigeo Ito: "Characteristics of carbachol-and caffeine-induced inward currents in rat intestinal smooth muscle cells." Smooth Muscle Excitation, Fds. Bolton T. B. & Yomita T., Academic Press, London. 187-196 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Shigeo Ito: "Inositol 1,4,5-trisphosphate-induced Ca^<2+>-transient and outward K^+ current in single smooth muscle cells of guinea pig small intestine." Japanese Journal of Pharmacology. 71. 1-10 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Mitsuyasu Tabo: "Effects of external K^+ on depletion-induced Ca^<2+> entry in rat ileal smooth muscle." European Journal of Pharmacology. 313. 151-158 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Shigeo Ito: Characteristics of carbachol-and caffeine-induced inward currents in rat intestinal smooth muscle cells. Smooth Muscle Excitation, Eds.Bolton T.B.& Tomita T.Academic Press, London, 187-196 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 1999-03-09  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi