研究課題/領域番号 |
07456132
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菅野 茂 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70111482)
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研究分担者 |
桑原 正貴 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30205273)
局 博一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30142095)
土井 邦雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70155612)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 気道過敏症 / モルモット / ヒスタミン / アセチルコリン / ブラジキニン / 迷走神経 / 気道収縮 / アセチルコリンエステラーゼ |
研究概要 |
先天性に気道反応性が異なる2系統のモルモット、すなわちBHS(気道過敏)系およびBHR(気道非過敏)系について、ヒスタミンのエ-ロゾル吸入または静脈内投与、およびブラジキンの静脈内投与による気道収縮反応を調べるとともに、ヒスタミンについては、気道収縮反応における迷走神経反射の役割を明らかにする実験を行った。また、アセチルコリンおよびカルバコールに対する気道平滑筋の反応性をin vitroの実験系で行い、in vivoにおける成績と比較した。ヒスタミン(0.01〜0.08%)エ-ロゾルの吸入によって、BHS系では0.01%または0.02%といった低濃度においても有意な気道収縮反応(1回換気量の減少、気道抵抗の増大)が出現したが、BHR系では最高濃度である0.08%においてのみ有意な気道収縮反応が認められた。しかしながら、ヒスタミンの静脈内投与(0.5〜16mg/kg、i.v.)では、両系間で気道収縮反応の有意差は認められなかった。一方、アトロビンエ-ロゾル吸入後のヒスタミンエ-ロゾル(0.08%)に対する反応性は、1回換気量の低下が両系とも有意に抑制される一方、気道抵抗の増大はBHS系でのみ有意に抑制された。以上の成績から、両系間でヒスタミンに対する感受性が明瞭に異なっているが、感受性の相違は投与ルートによって影響を受けること、またエ-ロゾル吸入の場合では両系とも迷走神経反射の関与が明らかであるが、迷走神経反射への依存度は、BHS系がBHR系に比べ比較的高いことが示唆された。一方、ブラジキニンの静脈投与(0.1mg,1mg,10mg/kg)による気道収縮反応に関しては、BHSはBHRおよびHartley系モルモットに比べて有意に高い気道収縮を示すことが明らかになった。さらに、アセチルコリンに対する気道収縮にはM3受容体が関与していること、BHS系では、アセチルコリンエステラーゼ活性の低下が気道過敏症に影響を及ぼしていることが示唆された。
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