研究課題/領域番号 |
07456141
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐々木 伸雄 東京大学, 農学部, 教授 (60107414)
|
研究分担者 |
廉澤 剛 北海道大学, 獣医学部, 講師 (70214418)
望月 学 東京大学, 農学部, 助手 (90261958)
西村 亮平 東京大学, 農学部, 助教授 (80172708)
中山 裕之 東京大学, 農学部, 助教授 (40155891)
辻本 元 東京大学, 農学部, 助教授 (60163804)
|
キーワード | 分化誘導療法 / 骨肉腫細胞株 / ビタミンD / BMP-2 / ALP活性 / オステオカルシン / I型コラーゲン / アポトーシス |
研究概要 |
転移好発性固形悪性腫瘍に対する治療成績に関しては、すでに口腔、鼻腔の悪性腫瘍、肥満細胞腫、猫の乳癌等について調査を終了し、その一部は総説として報告するとともに、他の専門誌への投稿を準備中である。これらの結果はいずれも従来の報告とほぼ同様であるが、鼻腔腫瘍では従来の臨床病期分類が必ずしも適切とはいえず、CTスキャン等を用いた新しい分類法がより臨床的病期を適切に表すことが明かとなった。また鼻腔腫瘍に対する治療法に関しては、化学療法はかならずしも効果的とはいえず、むしろ放射線治療の成績が良好であった。 一方、猫の乳癌ならびに犬の悪性黒色腫に関して細胞株の樹立に成功し、現在これらについても投稿準備中である。これらはいずれもヌードマウスの皮下移植によって肺その他へ転移することが確認されており、今後本研究の重要な材料となることが期待されている。 分化誘導療法の可能性に関しては主として骨肉腫瘍細胞株を用いてin vitroの実験を行った。 ビタミンD_3、TGF-β_1、BMP-2をクローン化した4つの骨肉腫培養細胞株に添加したところ、骨細胞の指標であるALP活性、オステオカルシン産生量、I型コラーゲン産生量等はさまざまな程度の上昇を示し、中でもBMP-2が最も強い作用を示した。また組織学的にもこれらの物質によって分化程度が誘導されており、さらに電顕所見からアポトーシスの発現も確認された。 これらのデータは骨肉腫においてもこれらの薬物等による分化誘導の可能性を示唆するものであり、今後さらに詳細な検討を加える価値のある成績と考えられた。
|