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1997 年度 実績報告書

哺乳動物のアミロイドβ前駆タンパク(APP)の比較 解析に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07456144
研究機関宮崎大学

研究代表者

立山 晉  宮崎大学, 農学部, 教授 (90041003)

研究分担者 内田 和幸  宮崎大学, 農学部, 助手 (10223554)
キーワードアミロイド / アミロイドβ前駆タンパク / アルツハイマー病 / βタンパク / 血管アミロイド / タウタンパク / 哺乳動物 / 老人斑
研究概要

アルツハイマー病では、βタンパクがタウリン酸化酵素の活性を刺激し、このため神経細胞内のタウタンパクが異常なリン酸化を受けるとの仮説が提唱されている。本研究では、アルツハイマー病患者、100才老人、ニホンサル、チンパンジー、クマ、イヌ、ネコ、ラクダおよびヒツジ脳内のタウタンパクのリン酸化状態について検討した。この結果、動物種に関係無く、リン酸化タウタンパクは、主にオリゴデンドログリアに分布していたが、アルツハイマー病患者や100才老人の脳では神経原線維変化や老人斑にリン酸化タウタンパクの異常な凝集が認められた。他動物の脳に同所見は認められなかった。従って、タウタンパクの異常なリン酸化には、βアミロイドの存在は必須のものではなく、この細胞骨格タンパクの変化はヒト脳特有の変化と思われた。
また、βタンパクは凝集性タンパクであるが、βタンパク沈着部に血清アポリポタンパクであるapolipoprotein E (apo E)が局在することから、βタンパクの凝集やアミロイド線維形成に促進因子が存在すると予想されている。この現象を確認するため、イヌを中心に検討したところ、アミロイド沈着を伴う老人斑には、Apo Eの他α1-antichymotrypsin、cystatin C、Cathepsin B、Cathepsin Dなどが局在しているものの、瀰漫性斑にはApo Eの局在しか認められず、また抗Apo E抗体陽性を示す瀰漫性斑は、抗β抗体やPAM染色により検出される瀰漫性斑に比べ非常に少なく、むしろApo Eとβタンパクの双方に陽性を示すものは稀であった。この結果については、クマ、サル、ネコ、ラクダ等でも同様の結果であった。これらの事実よりApo Eはβタンパクの産生過程よりも、本タンパクの凝集がすすみアミロイド線維が形成される段階で、何らかの役割をはたすものと予想された。一方、他α1-antichymotrypsin、Cystatin C、Cathepsin B、Cathepsin Dなどのプロテアーゼやプロテアーゼインヒビターは、アミロイド線維が形成された後の反応産物として発現しているのではないかと推察された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Uchida(他4名): "Immunoh is tochemical Stady on Constituents of senile plagues other then beta protein." Acta Neuropathologica. 93. 277-284 (1997)

  • [文献書誌] K.Kuroki(他7名): "Immunoh is hemical detection of tau protein in various non-human animal brains." Neuropathology. 17. 174-180 (1997)

  • [文献書誌] Y.Tani(他6名): "Amyloid deposits in the gastroin testinal tract of aging dogs." Ueterinary Pathology. 34. 415-420 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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