研究課題/領域番号 |
07456146
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
辻 正義 酪農学園大学, 酪農学部, 助教授 (10150088)
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研究分担者 |
宮澤 正顕 三重大学, 医学部, 助教授 (60167757)
石原 智明 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (90082172)
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キーワード | SCIDマウス / 感染モデル / Babesia / 原虫性脳症 / 抗原変異 |
研究概要 |
(1)バベシア原虫の抗原変異…これまでの研究で、単クローン後退を受け身移入したSCIDマウスにBabesia sp. 1を感染させると、抗体とは反応しないエスケープ原虫を選択的に増殖することが明らかとなった。すでに我々は、Besesia sp. 1のin vitro培養系を確立することに成功しているが、現在の方法では、非常に少ない原虫数から原虫を増殖させることはできず、原虫クローニングに用いるには、さらに改良が必要と考えられる。現在、別の方法としてBo-RBC-SCIDマウスを用いた限界希釈による原虫のクローニングを試みており、期待できる結果が得られつつある。エスケープ原虫出現機序に関する分子レベルの解析については、これまでに、抗体による原虫増殖抑制と関連する原虫表面抗原遺伝子のcDNAクローンを2つ得ることに成功し、それらのシークエンスについて現在解析中である。 (2)脳性バベシア症モデルの開発…Bo-RBC-SCIDマウスにB. bovisを感染させることにより、マウス体内でB. bovisを増殖させることができただけでなく、黄疸・血色素尿・中枢神経症状などウシの脳性バベシア症で見られるのと同様の臨床症状をマウスに発現させることに初めて成功した。この画期的な成果は、Parasitology Todayに投稿し受理された。脳性バベシア症の発病機序はヒトの脳性マラリア症のそれと極めて類似しているため、海外の研究者からもすでに大きな反響が寄せられている。現在、血管内皮細胞へ感染赤血球の付着についての詳細な病理組織的学検討を行っており、それに関与する原虫側および内皮細胞側の接着因子についても検索すべく準備中である。
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