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1996 年度 実績報告書

ウシ赤血球置き換えSCIDマウス;バベシア原虫症の実験モデルとしての応用

研究課題

研究課題/領域番号 07456146
研究種目

基盤研究(B)

研究機関酪農学園大学

研究代表者

辻 正義  酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (10150088)

研究分担者 宮澤 正顕  近畿大学, 医学部, 教授 (60167757)
石原 智明  酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (90082172)
キーワードSCIDマウス / Babesia / 抗原変異 / 原虫性脳症 / 感染モデル
研究概要

バベシア原虫の抗原変異機序の解明…単クローン抗体IA2を受け身移入したBo-RBC-SCIDマウスにBabesia sp.1を感染させることにより、1A2抗体により増殖抑制されないエスケープ原虫を得た。共焦点レーザー顕微鏡およびウエスタンブロット解析により、1A2抗体はメロゾイト膜表層に存在する56Kダルトン蛋白質(p56)を認識することが明らかとなったが、エスケープ原虫ではこの抗原が欠損していた。Babesia sp.1のλZap-cDNAライブラリーを作製し、1A2抗体をプローブとしたイムノスクリーニングを行うことにより、p56遺伝子のcDNAをクローニングし、その全塩基配列を決定した。p56cDNAをプローブして原虫ゲノムDNAのサザンブロットを行った結果、p56はシングルコピー遺伝子と存在していることが判明したが、エスケープ原虫ではプローブと反応するバンドは得られず、p56遺伝子そのものが欠損しているものと考えられた。おそらく、Babesia sp.1には抗原性の異なる幾つかのポピュレーションが含まれており、抗体で選択されることによりその一部がエスケープ原虫として出現したものと考えられた。
(2)脳性バベシア症モデルの病態解析…脳性バベシア症モデルの作出に世界で初めて成功した。すなわち、ウシ赤血球で置き換えたSCIDマウスにB.bovisを感染させることにより、ウシで見られるのと同様の脳炎様症状をマウスで発現させることができた。病理組織的学検索の結果、バベシア原虫に感染したウシ赤血球表面にはマラリア原虫で見られているのと同様の突起(knob)が観察され、これを介して感染赤血球がSCIDマウスの脳毛細血管の内皮細胞に付着していることが確認された。また、感染赤血球同士もknobによって接着し、これらが合わさって血管内に感染赤血球の凝集魂(Sequestration)が生じ、それによってもたらされる循環障害が神経症状発現の一因をなしているものと想像された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Masayoshi Tsuji et al.: "A mouse model for cerebral baesiosis" Parasitol.Today. 12. 203-205 (1996)

  • [文献書誌] Masata Ohta et al.: "Experimental transmission of Babesia ovata oshimensis n.var.of Cattle in Japan by Haemaphysalis longicornis" J.Vet.Med.Sci.58. 1153-1155 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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