研究課題/領域番号 |
07456146
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
辻 正義 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (10150088)
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研究分担者 |
宮澤 正顕 近畿大学, 医学部, 教授 (60167757)
石原 智明 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (90082172)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | SCIDマウス / 感染モデル / Babesia ovata / Babesia bovis / 原虫性脳症 / 抗原変異 |
研究概要 |
バベシア原虫についてウシ赤血球置き換えSCIDマウスモデルの応用と展開を図り、以下の成果を得た。 (1)新たなウシバベシア原虫の分離・・・北海道渡島地方の放牧牛からウシ赤血球置き換えSCIDマウス(Bo-RBC-SClDマウス)を用いてバベシア原虫を分離した。この分離株は、Babesia ovataの標準株として用いられてきた三宅株とは、主要な原虫構成タンパク質の分子量と抗原性、および、ゲノムDNAの塩基配列などの点でかなり性状が異なっていたが、フタトゲチマダニにより媒介されるという共通点もあることから、B.ovataの変種;B.ovata oshinensisとすることが提唱された。バベシア原虫を感染させたBo-RBC-SClDマウスでは、血尿・黄疸・神経症状など感染牛で見られるのと同様の臨床症状が観察され、本実験系を病気の発現機序を解析するためのモデルとして利用できることを示した。 (2)バベシア原虫の抗原変異・・・奥尻島での野外調査により、B.ovataがウシに持続感染している実態を明らかにした。同一ウシ個体に、抗原性ならびに遺伝的性状状を異にする複数の原虫集団が存在し、その構成には経時的変化が見られることから、抗原変異の可能性が示唆された。B.ovata渡島株に対する単クローンを作製し、それらをBo-RBC-SCIDマウスに受け身移入することにより、原虫増殖抑制能をもつ単クローン1A2を得た。この抗体を原虫を感染さたBo-RBC-SClDマウスに受け身移入し続けることにより、抗体からエスケープする原虫を選択的に増殖させる実験系を作製した。1A2抗体はメロゾイト膜表層に存在する56Kダルトン蛋白質(P56)を認識していた。B.ovataのcDNAライブラリーを1A2抗体を用いてイムノスクリーニングすることにより、p56遺伝子のcDNAをクローニングし、その全塩基配列を決定した。サザンプロット解析から、p56はシングルコピー遺伝子と存在しており、エスケープ原虫では本遺伝子の欠損やDNA組み替えを伴う変異が生じていることが判明した。 (3)脳性バベシア症モデル…B.bovisを感染させたBo-RBC-SClDマウスにおいて、神経症状の発現を伴う脳性バベシア症の再現に成功した。B.bovisに感染したウシ赤血球表面にはマラリア原虫で見られているのと同様の突起(knob)が観察され、これを介して感染赤血球がSCIDマウスの脳毛細血管の内皮細胞に付着することが確認された。感染赤血球どうしもknobによって凝集し、これらが合わさって血管内に感染赤血球のsequestrationが生じ、それによってもたらされる循環障害が神経症状発現の一因をなすものと想像された。感染赤血球の接着に関与する可能性のある血管内皮細胞表面の接着分子遺伝子のcDNAクローンを行ない、COS-7細胞での発現系を作成した。
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