研究概要 |
シイタケの菌糸体を大豆油を炭素源、大豆粉を窒素源とした大豆培地で3週間培養すると、グルコースを炭素源、カザミノ酸を窒素源としたGC培地の11倍もの菌糸体が得られた。両培地の菌糸体の形態は大きく異なり、GC培地では大きな球状であったが、大豆培地では小球あるいは繊維状であった。大豆培地で培養した菌糸体のリポキシゲナーゼ活性はGC培地の26倍も高く、大豆培地におけるリポキシゲナーゼの誘導が認められた。菌糸体の生長およびリポキシゲナーゼの誘導に最適な大豆油と大豆粉の濃度は各々60ml/lと12g/lであった。GC培地と大豆培地の菌糸体のリポキシゲナーゼを活性染色により比較すると、GC培地で見え出された4種類のアイソザイムのうちの特定の1種類だけが大豆培地で誘導されることが明らかになった。誘導されたリポキシゲナーゼはpH4.5以下で高い活性を示し、pH3.0〜8.5のpH域および50℃以下で安定であった。また、リノール酸よりもリノレン酸やアラキドン酸に高い基質特異性を示し、Cu^<2+>,NEM,ヨード酢酸により活性が阻害された。 アイタケリポキシゲナーゼとヒドロペルオキシドリアーゼにより香気成分が作られる。よって、マイタケの香気成分をガスクロ(PEG20Mシリカキャピラリーカラム(i.d.0.25x60m))で分析した。マイタケの主要な香気成分は1-オクテン-3-オール(60%)、3-オクテノール(31%)、2-オクテナ-ル(3%)、n-ヘプタナ-ル(2.2%)、メチルシンナメイト(1.5%)、ネロリドール(1.%)、2-デカノン(0.8%)、n-オクタナ-ル(0.4%)、僅少の1-オクテン-3-オンなどが検出された。ヒラタケリポキシゲナーゼを精製し、酵素化学的諸性質を調べた。Sepahcryl S-400によるゲル濾過では87,000であった。
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