研究課題/領域番号 |
07456155
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
島田 幹夫 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (50027166)
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研究分担者 |
服部 武文 京都大学, 木質科学研究所, 助手 (60212148)
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キーワード | Oxalic acid / Glyoxylic acid / Biosynthesis / Glyoxylate oxidase / White-rot fungi / Brown-rot fungi / Basidiomycetes / Tyromyces palustris |
研究概要 |
木材腐朽菌のみならず森林共生担子菌類あるいは植物病原菌はシュウ酸を生合成しており、森林生態化学の観点では未だ知られざる重要な役割を果たしていると推定されるが、その生化学的役割については未解明の問題を抱えている。特に、木造家屋を攻撃する褐色腐朽菌は多量のシュウ酸を合成し、銅含有木材防腐剤を不活性化するため銅耐性菌として木材保存学上重要な腐朽害菌である。本研究の目的は木質資源の保護の立場から、木材腐朽担子菌類に絞って、シュウ酸生合成酵素系の発現と調節機構を解明することにある。これまでにシュウ酸合成酵素としてオキサロ酢酸加水分解酵素とグリオキシル酸酸化酵素を見出しているが、酵素精製が困難であったため、酵素的性質については未解明であった。しかし、カラムクロマトグラフィーを工夫することにより、高純度の酵素タンパク質を単離することに成功した。 本酵素はスペクトルの解析から、分子量33万のフラボヘムタンパク質であり、従来未報告のシトクロムb2型グリオキシル酸酸化酵素であることが分かった。実際に、熱変性処理によりフラビンヌクレオチドを分離し、それがFMNであることを証明した。また、プロテアーゼ処理によって部分加水分解すると、フラボドメインとヘムドメインに分かれ、その各々では、シトクロムcを還元できないが、2つの成分を加えた再構成系では還元活性を回復することが証明された。従って、シュウ酸が生成するときの電子伝達の機構として、グリオキシル酸から2電子が先ず活性中心のFMNに移され、それがヘム鉄を還元して、さらにヘム鉄はシトクロムcを還元するという機構が解明された。以上、有害なシュウ酸合成を抑制・制御するためにはこの電子伝達系を制御することが重要となってきた。
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