研究課題/領域番号 |
07456158
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
大橋 文人 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (10126013)
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研究分担者 |
嶋田 照雅 大阪府立大学, 農学部, 助手 (00264812)
野村 紘一 大阪府立大学, 農学部, 講師 (00081597)
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キーワード | 臓器移植 / リンパ球混合反応 / サイトカイン / 腎移植 / 皮膚移植 / FK506 |
研究概要 |
研究はイヌを用いた非組織適合動物間の臓器移植に際する免疫抑制剤(FK506)及び骨髄移植による免疫寛容性誘導法の検討を目的とし、その結果、下記の成果が得られた。 1.平成7及び8年度にはFK506の投与量の検討、及びその免疫抑制効果とサイトカイン及びリンパ球サブセットの動向について検討し、(1)FK506の免疫抑制効果は、本剤の投与量が0.05mg/kg以上の4日間投与により幼若化反応を50%以下に抑制した。(2)本剤の投与によりサイトカインであるIL-1およびIL-2の産生量は漸減した。(3)本剤投与による非組織適合犬の皮膚移植では、末梢血中単球分画が有意に減少し、リンパ球サブセットCD4+細胞、CD8+細胞数には変動がなかったが、IgG陽性細胞の増加を抑制し、移植片では単球、好中球の細胞浸潤を抑制し、拒絶反応の発現の抑制が認められた。 2.平成9年度には骨髄移植による免疫寛容性の誘導性および本剤使用下での移植腎の生着効果について検討した結果、(1)全細胞性骨髄移植後の腎移植では明瞭な免疫抑制効果は得られず、移植腎へのリンパ球浸潤が認められた。(2)臨床例及び実験例、各1例で本薬剤を用いた腎移植を実施し、移植腎への細胞浸潤の顕著な抑制が認められた。
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