研究課題/領域番号 |
07457010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
片山 芳文 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (20014144)
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研究分担者 |
辰巳 仁史 名古屋大学, 医学部, 助手 (20171720)
古川 哲史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (80251552)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 光ピンセット / 近接場光 / 膜蛋白分子 / イオンチャネル / イメージング / クローニング / 近接場光学顕微鏡 / 先端的光学技術 |
研究概要 |
イオンチャネルやトランスポータなど膜蛋白分子の機能と構造の関連を生きた細胞を用いて研究するために光ピンセットや近接場光などの先端的光学技術を活用することを計画し、先ず、光ピンセットの補促力を強化するために100mWのアルゴン・クリプトンレーザーを導入した。培養したラットの神経細胞の成長円錐の膜表面に付着させた金コロイド粒子やラテックスビーズを光ピンセットで捕捉して、0.1から1μmほど移動させることができた。このときの捕捉力は約1pNと評価された。 カバーガラス上に培養したラットの海馬神経細胞をDilで染色して全反射型近接場光学顕微鏡で観察した。Dil蛍光は細胞体の一部と成長円錐に相当する部位でのみ検出され、これらの部位ではガラス面と細胞膜が200nm以下に接近していると推測された。また、成長円錐から伸展したフィロポディアの先端部も観察できたので、ガラス面に接近していることが分かった。今後、この顕微鏡を用いて、細胞膜直下の機能性分子の動態や死青部膜と支持体との接着構造を解析する。さらに、大津らとの共同研究で走査型近接場光学顕微鏡を利用して、成長円錐部にMicrotublesに相当する構造が存在することを表面から観察できた。 伸展刺激に応答するイオンチャネルの応答機構を近接場光学顕微鏡を用いて可視化する試みを計画した。クローニングした伸展刺激活性化イオンチャネルのCIC-2をアフリカツメガエルの卵母細胞で発現させ電気生理学的解析を行い、機能的意義を明らかにした。さらに、CIC-2チャネル伸展刺激修飾蛋白(新規蛋白)をクローニングしその分子構造を決定した。この伸展刺激修飾蛋白の動態を可視化するために、その抗体を作成して蛍光ラベルすることを試みている。同時に、培養神経細胞の成長円錐には機械的刺激によって活性化されるクロライドチャネルがあると示唆された。 培養したラットDRG細胞の背家超円錐からグルタメートが放出される。この現象に関与することが明らかにされているω-agatoxin感受性カルシウムシャネルを、金コロイドや蛍光色素を利用して免疫学的に標識・可視化した。そして今回は、金コロイドが成長円錐や細胞体の表面に存在することを電子顕微鏡を用いて観察することに成功した。以上、グルタメート放出に関与するカルシウムチャネルが成長円錐に存在することを免疫学的に確認できた。
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