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1997 年度 実績報告書

食塩感受性の性差に関する高血圧遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 07457038
研究機関東亜大学

研究代表者

奈良 安雄  東亜大学, 工学部, 教授 (80116417)

研究分担者 澤村 誠  京都大学大学院, 人間・環境学研究科, 助手 (00187303)
キーワード脳卒中易発症ラット / 食塩感受性 / 連鎖解析
研究概要

我々は既に脳卒中易発症ラット(SHRSP)と正常血圧ラット(WKY)とから作製したF2ラットを対象に性差による食塩感受性の差異および食塩感受性原因遺伝子の検索を行った。その結果、(1)食塩感受性が雌雄で異なっていること、(2)食塩感受性原因遺伝子が雄性では第10染色体上に、雌性では第3染色体上にあることを明らかにした。さらに、雌性の食塩感受性原因遺伝子の座位を特定するため、第3染色体上のマーカーを詳細に調べた結果、原因遺伝子はD3Mgh12マーカーを含む20センチモルガン(cM)の範囲に存在することが明らかになった。一方、最近、バーター症候群の原因遺伝子としてNa-K-2Cl cotransporter (NKCC2)が注目されている。この症候群自体は必ずしも高血圧を特徴とするものではないが、NKCC2は水電解質バランスに関係しており、さらに、ラット第3染色体上に存在することが明らかになっている。よって、この酵素の遺伝子座位を決定するとともに、食塩感受性との連鎖解析を行った。この遺伝子はマイクロサテライト領域を有するが、SHRSPとWKYとの間に多型性が認められなかったため、この遺伝子の3'末端非翻訳領域(978bp)の塩基配列を比較した。両系統間に1塩基置換のあることが明らかとなったため、この変異を基にMutagenically separated PCR用のプライマーセットを開発した。連鎖解析の結果、NKCC2遺伝子はD3Mgh12座位から2cM離れた位置に存在することが明らかになった。また、この座位は食塩感受性高血圧と強く連鎖した(p<0.00003)。さらに、NKCC2遺伝子の発現を脳、肝臓、心臓、腎臓、小腸、精巣の各臓器で調べたところ、その発現は腎臓にのみ認められた。この遺伝子が雌性の食塩感受性に関係するか否かを証明するには更なる研究が必要である。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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