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1995 年度 実績報告書

血流刺激による内皮細胞の形態と機能変化、ことに活性化内皮細胞の病理学的意義

研究課題

研究課題/領域番号 07457058
研究種目

一般研究(B)

研究機関山梨医科大学

研究代表者

吉田 洋二  山梨医科大学, 医学部, 教授 (10008237)

研究分担者 山根 徹  山梨医科大学, 医学部, 助手 (60220430)
三俣 昌子  山梨医科大学, 医学部, 助教授 (40064589)
キーワード流れずり応力 / 内皮細胞 / DNA合成 / Cdlagen合成 / NGSA / GRO / ずり応力依存性遺伝子 / tight junction / 内皮細胞活性化
研究概要

内皮細胞機能は局所血流動態に依存し、定常流では安定化し、二次流で活性化する。その機序と意義を明らかにするために以下の研究を行ったので、その成績を報告する。
1.内皮細胞の定常流刺激に対する反応として、in vivo vitroでDNA合成の低下、基底膜の産生亢進が挙げられる。その刺激感受機構の一部にstress fiber(SF)が関与していると考えられたので、cytochalasinによりSF の重合を阻害した。DNA合成は影響を受けなかったが、collagen合成は抑制された。したがって刺激感受機構はSFより、さらに上流に依存する可能性がある。focal adhesion kinase(FAK)のリン酸化がその候補として考えられた。
2.differential hybridizationにより定常性ずり応力依存性遺伝子発現を検討した。9個の特異遺伝子を明らかにした。その一つがMGSA/GROであった。同遺伝子mRNAはずり応力刺激により11.5倍に増強した。
3.我々の開発した矢型流路で定常流領域、二次流領域の内皮細胞機能と形態を比較検討した。前者でtight junction(TJ)関連蛋白の産生が亢進し、Horseradish peroxidase(HRP)に対する透過性が低下した。in vivoでウサギ大動脈の狭窄により二次流を作ると、内皮細胞の透過性の亢進(細胞間接合部の開大、pinocytosisの亢進)、白血球接着因子の発現を生じた。IL-1が早期に発現するので、活性化因子としてIL-1を考えたい。
4.TJ関連蛋白ZO-1,7H6は定常性ずり応力の大きさ、時間依存性に亢進した。前者のmRNA発現はずり応力負荷後15分より増強し、4時間まで継続した。cAMP-phosphodiesterase inhibitorで細胞内cAMP濃度を上昇させた場合、ZO-1の細胞内濃度は増加した。
以上より、内皮細胞は血流ずり応力に対応して、ずり応力依存性の遺伝子を発現することが明らかになった。遺伝子発現に関与する刺激伝達機序は複数存在する可能性が存在した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 小林 正洋: "局所血流の変化による動脈内皮細胞の形態的・機能的変化" 脈管学. 36. 117-127 (1996)

  • [文献書誌] Yoshida,Yoji: " Atherosclerosis X" Editors: Woodford FP, Davignon J, Sinderman A. Elsevier Science B. V., 1084 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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