研究課題/領域番号 |
07457058
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
吉田 洋二 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10008237)
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研究分担者 |
山根 徹 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60220430)
三俣 昌子 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (40064589)
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キーワード | ずり応力 / 内皮細胞 / DNA合成 / p21 / 4型コラーゲン合成 |
研究概要 |
内皮細胞機能は局所血流動態に依存し、定常流性血流によるずり応力、すなわち一定方向に恒常的に加わるずり応力は、内皮細胞機能を安定化し、ずり応力の向きや大きさが変動する二次流では内皮細胞機能は活性化する。 Confluentとなったウシ大動脈内皮細胞、ヒト臍帯静脈内皮細胞をparallel flow chamber内に置き、様々な大きさの定常流性ずり応力を作用させ、DNA合成、コラーゲン代謝を検討した。a)内皮細胞のDNA合成は、その機能的安定性の一つの指標と考えられる。ヒトや動物の大動脈のずり応力は平均的に10数dyn/cm^2と言われているので、30dyn/cm^2の定常流性ずり応力刺激を内皮細胞を加えたところ、2時間でDNA合成は低下し始め、4時間で静置対象の48.6%にまで低下した。p21はcyclin-dependent kinase阻害蛋白で、DNA合成を抑制する物質として知られているが、ずり応力負荷後2時間より発現が亢進し、12時間まで、時間依存性に増加した。一方、p125 focal adhesion kinase (FAK)の活性化を測定したところ、ずり応力負荷直後、静置対照に比し低下したが、48時間、72時間後明らかなkinase assayの上昇を認めた。tryosine kinase阻害剤であるgenisteinを培養液に加えたが、ずり応力負荷によるDNA合成抑制に影響を与えなかった。すなわちずり応力負荷によるDNA合成の阻害は、p21蛋白の発現によることが明らかとなった。b)定常性ずり応力負荷により、ずり応力依存性に4型コラーゲン蛋白の合成は亢進した。その閾値は10dyn/cm^2であった。F actinの重合をcytochalasin Bで阻害すると、30dyn/cm^2、24時間のずり応力刺激によるコラーゲン合成は、対照の73%に抑制された。チロシン燐酸化を抑制するgenisteinを添加すると、ずり応力依存性のコラーゲン合成亢進作用は消去された。 in vitroでも適度な定常性高ずり応力は血管内皮細胞機能を安定化することが確認された。
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