研究概要 |
1)T細胞への提示分子としての70kDa hsp 70kDa hsp分子はある特定の腫瘍細胞でその細胞表面に発現する。しかもこれが、CD3^+,4^-,8^-,NKR-P1^-のDNT(double negative T)細胞と反応する。さらに今日迄の我々の研究成果はこの70kDa hspが何らかの内在性抗原ペプチドと複合体を形成し、これが、DNTに提示されることを示唆した。 2)70kDa hspの抗原プロセシングにおける役割りの解明 70kDa hspはTAP分子と会合していたことが判明した。この会合により、MHC class I結合性の抗原ペプチドがin vitroで効率よくATP依存性にERに輸送されることが示唆された。in vivoでも70kDa hspの選択的結合剤として知られるmethyl DSGにより、この輸送が抑制された。これらの事実はプロテオゾーム-TAP分子間で70kDa hspがMHC class I結合性の抗原ペプチドの輸送、提示に主要な役割りを行っていることを意味している。
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