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1996 年度 実績報告書

線虫感染によるレフラ-症候群の病態発生機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07457067
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

有薗 直樹  京都府立医科大学, 医学部, 教授 (10079725)

研究分担者 手越 達也  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40254370)
内川 隆一  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80145466)
松田 信治  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70199800)
山田 稔  京都府立医科大学, 医学部, 講師 (70106392)
キーワード線虫 / Ws / Wsラット / 肺 / マスト細胞 / IgE / 血管透過性 / ロイコトリエン / サイトカイン
研究概要

線虫Nippostrongylus brasiliensis (Nb)感染ラットの肺に生じるレフラ-症候群類似病変の発現におけるIgE-マスト細胞系(I型過敏症)の関与を明らかにするため,c-kit遺伝子に変異を有し先天的にマスト細胞を欠損するWs/Wsラットと,正常にマスト細胞を有する+/+ラットにおける反応を比較検討した.
結果 1. Nb感染後の肺門リンパ節におけるsurface IgE positive (sIgE^+)細胞ならびに血中IgE抗体レベルは,Ws/Wsラットと+/+ラットの間に差を見なかった.2. Nb感染後の肺肉芽腫の形成及び肺胞洗浄液中の好酸球数ならびにマスト細胞特異的プロテアーゼRMCP IIレベルは,Ws/Wsラットにおいて,+/+ラットよりも有意に低値を示した.3. 感染ラット肺を摘出し,in vitroで線虫抗原によって刺激した場合,感作肺組織からのヒスタミン及びロイコトリエン(LT) C4の遊離は,Ws/Wsラットにおいて,+/+ラットよりも有意に低値を示した.4.抗原+エバンスブルー静注による気管血管透過性は,Nb感染後,+/+ラットで有意に亢進を示したが,Ws/Wsラットでは,亢進を示さなかった.5.感染ラット肺におけるサイトカインのmRNA発現をRT-PCR法でみた場合,Th2サイトカインのIL-4, IL-5及びIL-13は、Ws/Ws及び+/+ラット共に感染後発現の増強を認めた.Th1系サイトカインのIL-2, IFN-γも増強を示したが,Ws/Wsラットでは+/+ラットに比べて,発現の立ち上がりは遅延する傾向にあった.その他,TNF-α及びIL-6も共に増強を示した.
以上の結果から,Nb感染によるレフラ-症候群類似肺病変の発現にはマスト細胞を介するI型過敏症が関与することが強く示唆されたが,サイトカイトによる調節機序については,さらに詳細に検討を必要とする.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Arizono Naoki: "Lung granulomatous respones induced by infection with the intestinal nematocle Nippostrongylus brasiliensis is suppressed in mast cell-deficient Ws/Ws rats." Clinical and Experimental Immunalogy. 106. 55-61 (1996)

  • [文献書誌] 山田 稔: "Nippostrongylus brasiliensis感染によって惹起される肺病変" 寄生虫学雑誌. 44 (補). 86 (1995)

  • [文献書誌] 西田 稔: "Nippostrongylus brasiliensis 感染ラット肺に見られる粘膜型マスト細胞の増殖と活性化" 寄生虫学雑誌. 45. 62 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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