研究課題/領域番号 |
07457077
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山西 弘一 大阪大学, 医学部, 教授 (10029811)
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研究分担者 |
倉田 毅 大阪大学, 国立予防衛生研究所・感染病理部, 部長 (50012779)
多屋 馨子 (田中 馨子) 大阪大学, 医学部, 助手 (80263276)
稲城 玲子 大阪大学, 医学部, 助手 (50232509)
近藤 一博 大阪大学, 医学部, 助教授 (70234929)
伊勢川 裕二 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (20184583)
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キーワード | 潜伏感染 / HHV-6 / 前初期遺伝子 / IE1 / IE2 |
研究概要 |
HHV-6の潜伏感染機構を明らかにするに当たって、まず、HHV-6の全塩基配列の決定を継続した。その結果、現在までにHHV-6遺伝子の約90%のシークエンスを終えた。ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)のIE遺伝子領域に相当する2つのIE領域(IE-A,-B)が存在し、IE-BではHHV-6 variant A(HHV-6A)とvariant B(HHV-6B)の間でかなり塩基配列が異なることが明らかとなった。他にIEと予測される2つのシクロヘキシミド(CH)耐性の発現領域の存在を明らかにした。一方はHCMVやHHV-7には相同性がなく、マウスサイトメガロウイルス(MCMV)のIE2との相同性が認められた。また、この領域もvariant間でかなり異なっていることが明らかとなった。 HHV-6BのIE1の部分発現を大腸菌で行い、マウスに免疫しHHV-6に特異的な抗体を作成した。この抗体を用いて、IE1の特徴を調べた結果、IE1は感染後4時間以内に核にドット状に核に発現し、分子量は170KDと155KDの2種類存在することが明らかとなった。MCMVのIE2のhomologueに対しても部分発現を行い、マウスに免疫し抗体を作成した。この抗体を用いて、この遺伝子の特徴を調べた結果、CH耐性であり、核の局部で発現し、分子量は約100KDであることが明らかとなった。 IE-A,-B領域に対するmRNAを検索し、cDNAライブラリーからsplicingされた遺伝子構造を明らかにしつつある。その結果、IE-A領域ではHCMVと似たsplicingパターンも示されたが、独自のsplicingパターンの存在も明らかとなりつつある。IE-B領域の複雑なsplicingパターンも明らかとなりつつある。 マクロファージの潜伏感染系から潜伏感染に特異的な遺伝子を得ることができた。さらに、astrocyte系の培養細胞においても潜伏感染することが明らかとなった。この潜伏感染細胞において発現している蛋白の存在も明らかとなった。
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