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1996 年度 実績報告書

肝樹状細胞の性状と機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 07457083
研究機関京都大学

研究代表者

稲葉 カヨ  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00115792)

キーワード樹状細胞 / 肝臓 / サイトカイン / 細胞分化 / 性状解析
研究概要

肝組織をコラゲナーゼ処理により得られる白血球分画を細胞のサイズをFSCとSSCで検討すると同時に、CD11c抗体と種々の抗体で二重染色し、樹状細胞の性状を検討した。その結果、小リンパ球とほぼ同じサイズのCD11c陽性細胞では、それらの60-70%の細胞はMHCクラスII陰性であり、残りも弱陽性にすぎなかった。また、MHCクラスII陰性細胞では他の細胞表面マーカーもほとんど検出されなかった。しかし、中型の細胞ではMHCクラスIIの発現がやや高まると同時に、HSAの発現強度も増しており、2.4G2(FcRII)やMac-1(CD11b/CD18)だけでなく、c-fmsの発現も検出された。一方、大型の細胞分画はほとんどがCD11c陽性であり、MHCクラスII強陽性でしかもB7-2(CD86)も程度は低いが発現されていることが明らかになった。
さらに、これらの細胞を2-3日間GM-CSF存在下で培養することにより、小型のCD11c陽性細胞はほとんど認められなくなり、大型のCD11c陽性細胞比率の上昇と共に、MHCクラスIIならびにB7-2(CD86)も増強されていることが示された。また、これらの細胞表面にはほとんどDEC-205の発現は検出されなかった。しかし、固定透過処理により大型の細胞の多くがDEC-205陽性であることが明らかになった。
実際に、組織において樹状細胞の分布を検討すると、CD11c陽性細胞は門脈三分岐域以外に肝実質部や胆管上皮下などに存在することが確認された。しかし、DEC-205を発現する細胞は門脈三分岐近傍に僅かに認められただけである。一方、MHCクラスIIの発現を指標にすると、門脈三分岐近傍では比較的陽性度の高い細胞が多く認められたが、肝実質部には少なく、MHCクラスIIの発現程度も微弱であった。以上の結果より、肝臓には分化成熟程度の異なる少なくとも3種の樹状細胞が存在していることが明らかである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Young,J.W.: "Dendritic cells as adjuvants for class I restricted anti-tumor immunity." J.Exp.Med. 183. 7-11 (1996)

  • [文献書誌] Frazle Akbar: "Upregulation of MHC class II antigen on dendritic cells from hepatitis B virus transgenic mice by γ-interferon : abrogation of immune response defect to a T-cell-dependent antigens" Immunology. 87. 519-527 (1996)

  • [文献書誌] Ortner,U.: "An improved method to obtain murine migratory cutaneous dendritic cells." J.Immunol.Methods. 193. 71-79 (1996)

  • [文献書誌] Sakuta,H.: "Calcitonin gene-related peptide enhances apoptosis of thymocytes." J.Neurommunol.67. 103-109 (1996)

  • [文献書誌] Inaba,K.: "Dendritic cells as antigen presenting cells in vivo." Immunol.Cell Biol.(in press). (1997)

  • [文献書誌] Yamaguchi,Y.: "Contrasting effect of TGFβ1 and TNFα on the development of dendritic cells from progenitors in mouse bone marrow." Stem Cells. (in press). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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