研究課題/領域番号 |
07457089
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
竹森 利忠 国立予防衛生研究所, 免疫部, 部長 (60114295)
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研究分担者 |
長岡 仁 国立予防衛生研究所, 免疫部, 研究員 (20270647)
木元 博史 国立予防衛生研究所, 免疫部, 研究員 (20225080)
柏田 正樹 国立予防衛生研究所, 免疫部, 研究員 (20270639)
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キーワード | 一次免疫反応 / centroblast / 体細胞点変異 / Bリンパ球 / centrocyte / 記憶Bリンパ球 / 胚中心 / 免疫グロブリン遺伝子 |
研究概要 |
一次免疫反応において抗原により活性化されたBリンパ球はPALSへ移動し抗体産生細胞へと分化する一方、一次濾胞へ移動して増殖し、胚中心を形成する。胚中心の成熟の過程で免疫グロブリン遺伝子に体細胞点変異が導入され、その結果抗原に対し高親和性を獲得したB細胞は記憶細胞としてこの場で選択され2次免疫応答を担う。胚中心は組織学的にdark zoneとlight zoneに分別され、前者には分裂するIg陰性活性B細胞(centroblast)、後者には主として静止期にあるIg陽性B細胞(centrocyte)が局在する。胚中心で誘導される体細胞点変異は、分裂するcentroblastで導入されその後静止期に移行した後抗原による選択を受けることが推察されているが、どのB細胞群で体細胞点変異が導入・蓄積されるかは不明の点が多い。 本研究における5カラーを用いたflow cytometryの解析により、Ig陽性胚中心B細胞群は免疫後一過性に分裂増殖することを明らかにした。更に、高度に精製された分裂するIg陽性胚中心B細胞群で発現する免疫グロブリン遺伝子には、免疫後体細胞点変異の蓄積が進行し、これに伴いこの群に属するB細胞数が生体内で減少する可能性が示唆された。以上の結果は、胚中心において体細胞点変異はIg陽性B細胞の分裂に伴い蓄積し、同細胞集団において同時に抗原による選択が進行する可能性を示唆した。更に本研究で、一過性に増殖するIg陽性胚中心B細胞はin vitroで強力な抗原提示機能を示すことを明らかにし、これらの結果から、T細胞に依存する選択と増殖が体細胞点変異の蓄積に重要な因子となることが推察される。
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