研究課題/領域番号 |
07457099
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
徳永 力雄 関西医科大学, 医学部, 教授 (40121959)
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研究分担者 |
圓藤 陽子 関西医科大学, 医学部, 講師 (50193438)
河野 比良夫 関西医科大学, 医学部, 講師 (30148522)
竹谷 茂 関西医科大学, 医学部, 助教授 (20121949)
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キーワード | RNR3 / リボヌクレオチドレダクターゼ / DNA損傷 / DNA損傷応答遺伝子 |
研究概要 |
DNA損傷応答遺伝子の一つであるRNR3の5´プロモーター領域(-800bp)をβ-ガラクトシダーゼ構造遺伝子(RNR3-lacZ)に凍結した後、酵母に導入し、DNA損傷によるRNR3の誘導発現がβ-ガラクトシダーゼの活性として検出できる系を作製した。デオキシリボ核酸合成の競争阻害剤であるヒドロキシン尿素の曝露によってRNR3は約10倍誘導されたことから、本システムが正常に作動することが確認された。シスプラチン、ブレオマイシンなどの制癌剤および4-ニトロキノリンオキサイド、N-メチル-N'-ニトローN-ニトロソグアニジンなどのDNA付加物生成能力を持つ化学物質でもRNR3は誘導され、種々のDNA損傷にたいしてレスポンスすることが判明した。また、ラットチトクロームP4501A1(CYP1A1)を発現させた酵母にRNR3-lacZを導入し、DNA損傷における代謝の関与を検討した。その結果、アフラトキシンB1および2-アミノフルオレンなど、CYP1A1によって代謝活性化されると報告されている化合物では、顕著な誘導が認められた。このように本システムではチトクロームP450代謝産物のDNA損傷性も検出可能となった。この結果は、Biochemical Pharmacology 50(10):1695-1699、1995に報告した。 これらの結果より、酵母にRNR3-lacZを導入することにより、化学物質が有するDNA損傷性を簡単に検出でき、さらに、チトクロームP450も同時に導入することにより、代謝活性化による影響も検出できる系となったので、遺伝毒性評価への応用が可能と考えられる。 現在、次の段階として、RNR3遺伝子の発現誘導メカニズムについて実験中である。
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