研究概要 |
静岡県N町K村の老健法健診受診者より昭和60年健診コホートを作成した.コホート人口は30歳代から80歳代まで男767人、女1332人計2099人である。10年後の転帰は生存1747人,死亡275人,不明77人であった.主要死因は悪性新生物75人、心疾患48人、脳血管疾患49人、他疾患75人であった。 従属変数として、死亡、疾病・死亡、成人病死、ねたきり(長期)、明らかなぼけ、軽いぼけを含むぼけの6項目とし、説明変数には老健法健診所見、食事などの生活調査など20項目を用いた。 単変量解析(クロス集計)は性・年齢階級別に行った。多変量解析は年齢と性を説明変数から除き行った。 多重ロジスティック分析を変数選択法で実施した結果、(1)死(/生)のリスク要因は、尿糖、タバコ、眼底SS、具合、心電図で、(2)疾病・死亡(/健康)のリスク要因は尿糖、タバコ、眼底SS、GOT、心電図、具合、脈圧、魚(食べない)であり、(3)成人病死(/他死・生存)のリスク要因はタバコ、糖尿、眼底SS、心電図、具合、ご飯(少ない)、脈圧であり、(4)ねたきり(長期)(/他)のリスク要因は眼底SHであり、(5)明らかなぼけのみ(/他)のリスク要因は、ヘモグロビン値、具合、脈圧でり、(6)軽いぼけを含むぼけ(/他)のリスク要因は眼底SS、具合、脈圧、タバコ(吸わない)、BMI(やせ)であった。 以上の如く、ぼけ・ねたきりの予知と予防に関するリスク要因を明らかにすることができた。これにより健やかに老いる生活のあり方に活用することが期待される。
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