研究概要 |
1.ヘキサン2,000ppm単独曝露、ヘキサン2,000ppm+メチルエチルケトン(MEK)2,000ppm混合曝露及びヘキサン2,000ppm+MEK200ppm混合曝露をラットを用いて、20週間吸入曝露し、末梢神経伝導速度、末梢神経の病理組織像、尿中代謝物を観察した。MEK2,000ppm混合曝露ではヘキサンの末梢神経毒性を増強したが、MEK200ppm混合曝では毒性増強作用は明確ではなかった。尿中代謝物はMEK2,000ppm混合曝露群で初日はヘキサンの尿中代謝物は有意に減少したが、4週以降は有意に増加した。MEK200ppm混合曝露群では有意な変化は認められなかった。 2.グリア細胞の培養系を用いて、ヘキサンの代謝物の毒性を比較した実験では2,5-ジメチルフランが最も強い毒性を示した。この結果はヘキサンの神経毒性の機序を考える際には2,5-ヘキサンジオンのみでなく2,5-ジメチルフランの作用も注目すべきことを示した。
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