研究概要 |
1995年7月〜8月にかけて,信楽町における「寝たきり予防のためのコホート調査」の追跡開始時の資料収集を目的とした調査を実施した。調査内容は,生活習慣,住居環境,社会活動,既往歴,自覚症状等を含む計100問からなる問診と,循環器疾患指標を得るための理学的所見,血液生化学検査である。本年度の受診者数は,男性880名,女性1450名の計2330名であった。信楽町の30歳以上の全住民を母集団としたときの受診率は,男性が19.6%,女性が29.2%,計24.7%であった。血圧と肥満,飲酒との関連を検討したところ,男性では,飲酒頻度の多い者ほど血圧が高い傾向がみられた。男女とも肥満度の高い者ほど血圧が有意に高かった。 次に,血圧と栄養との関連を明らかにする目的で,上記の受診者から無作為に抽出した対象に対して栄養調査(量・頻度法)と24時間血圧測定を行った。これまでに男性12名,女性15名の計27名に実施した。本年度の目的は,24時間血圧の測定に付随する問題点を明らかにし,その基礎資料を得ることにあった。その結果,24時間血圧の測定は被検者に対して時間的な負担を強いることが明らかとなり,ランダムサンプルによる調査対象者の募集は困難であることが明らかとなった。今後の24時間血圧についての調査は,調査対象者としてボランティアを募ることを計画している。 信楽町住民の脳卒中,急性心筋梗塞および骨折の発症を医療機関をベースとして登録を行った。その結果,現在までに脳卒中が,男性35名,女性35名の計70名,急性心筋梗塞が男性6名,女性2名の計8名,そして骨折が男性21名,女性45名の計66名を登録した。今後も同様の作業を継続していく。
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