研究課題/領域番号 |
07457116
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
中村 清一 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 主任研究員 (80167551)
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研究分担者 |
石川 秀樹 大阪府立成人病センター, 研究所10部, 主査
佐藤 真一 大阪府立公衆衛生研究所, 総務部, 技術吏員
小坂 博 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 主任研究員 (30250327)
赤阪 進 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 主任研究員 (10158719)
織田 肇 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 部長 (00132845)
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キーワード | 便 / 食習慣 / 大腸がん / 変異原性 / 遺伝子損傷 / 金属 / umu試験 / Ames試験 |
研究概要 |
がんの発生原因の多くは食事を含む環境因子によるものといわれており、大腸がんの発生要因を探るためには食事の分析と共に大腸の細胞に直接作用する大腸の内容物(糞便)の発がん性(変異原性)の検討が重要である。そこで、最近の大都市住人の大腸をどれくらいの変異原物質が通過するかを調べた。平成7年度には、便の変異原性を集団規模で調べるための便の前処理法、変異原抽出法などの検討を行なった。さらに、生活環境が比較的類似した集団(40〜60才,男性、105名)について、食品摂取ならびに身体状況(血圧測定、血液検査など)の調査を行うと共に便の変異原性を調べた。便は回収後、-80℃で保存し、凍結乾燥により水分を除去した。乾燥重量は湿重量の約22%となった。便は乾燥後、粉砕器で細かく粉砕し、粉末状にし、メタノール抽出、水抽出をし、得られた上清を水抽出成分として変異原性測定の試料とした。抽出成分の変異原性はネズミチフス菌TA1535/pSK1002を用いるumu試験により調べた。その結果、各試料の変異原性で陰性対照の2倍以上の値を示した陽性者は、S9(-)では23人、S9(+)では6人であった。そのうち、陰性対照の3倍以上の高値を示したものはS9(-)2名、S9(+)1名の計3名であった。変異原性は40才代で高く、60才代で低い傾向に、また、便量の少ないものでは変異原性が強く、変異原性に便量を乗じた変異原性の総量は便量の多い方が高い傾向にあった。また、便中金属含有量および白血球DNAの塩基変化と遺伝子損傷の測定法については、その測定条件の検討が終了した。さらに、大腸ポリ-プを持った大腸がんハイリスクグループより試料を収集し、便の前処理を行った。ハイリスクグループについては、食事指導を行うと同時に試料の収集を行っている。
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