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1996 年度 研究成果報告書概要

外傷性脳浮腫および脳腫脹におけるケミカル・メディエーターの役割

研究課題

研究課題/領域番号 07457120
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 法医学
研究機関産業医科大学

研究代表者

田中 宣幸  産業医科大学, 医学部, 教授 (60126597)

研究分担者 笠井 謙多郎  産業医科大学, 医学部, 助手 (40169397)
田中 敏子  産業医科大学, 医学部, 講師 (80141745)
北 敏郎  産業医科大学, 医学部, 助教授 (00131912)
研究期間 (年度) 1995 – 1996
キーワード外傷性脳浮腫 / Fluid percussion装置 / MRI / ケミカル・メディエーター / ロイコトリエン(LT) / 腫瘍壊死因子(TNFα) / 血液脳関門(BBB)
研究概要

脳挫傷ラットモデルを作製し、T2強調像を衝撃48時間後まで経時的に観察した。衝撃6時間後では衝撃部のみに、24時間後ではさらに海馬および傍矢状部皮質に浮腫が生じ、48時間後では浮腫の軽減化が認められた。挫傷脳の拡散係数(ADC)を計測したところ、衝撃部のADCは衝撃6時間後に高く24時間および48時間後で対照と同値に低下し、海馬領域でのそれは衝撃24時間後が対照と比較して低値を示した。トレーサー実験の結果、衝撃15分後に直接的な血管床の破綻が衝撃部、海馬および中脳などに観察された。海馬および中脳などの破綻はすぐに回復したが、1時間後に二次性の破綻が観察された。
脳脊髄液中の腫瘍壊死因子(TNFα)の濃度は、衝撃1から6時間後まで上昇し、24時間後には減少した。その局在の検討したところ、30分後に衝撃部で集積したミクログリアに、1時間後では海馬および傍矢状部で集積したグリア系細胞にTNFの局在が認められた。さらにロイコトリエン(LT)の局在を検討した。6時間後では衝撃部および海馬領域のグリア系細胞からLTの産生が認められた。24時間後では衝撃部および海馬領域ともに高度の浮腫が生じ、好中球の侵入も認められ、さらにグリア系細胞以外に好中球からのLT産生を示唆する像も認められた。
これらの結果から、衝撃30分から6時間後をピークとして24時間以内では、TNFを主体としたメディエータが血液脳関門(BBB)の破綻をもたらし、かつADCマップによる拡散係数からvasogenicな要素が衝撃直後強くその後徐々に緩解していくと考えられた。24時間以降からは、グリア系細胞および炎症性細胞由来のLTが脳浮腫発現に関与し、拡散係数からcytotoxicな要素が増強されると考えられた。

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公開日: 1999-03-09  

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