研究課題/領域番号 |
07457127
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
鎌谷 直之 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00114447)
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研究分担者 |
箱田 雅之 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70208429)
山中 寿 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (10166754)
寺井 千尋 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (40188660)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 体細胞突然変異 / プリン大謝 / loss of heterozygosity / 癌抑制遺伝子 / 遺伝子治療 / 癌多発家系 / adenine phosphoribosyltransferase |
研究概要 |
ヒト体細胞においては極めて高い頻度で体細胞突然変異がおきていることがAPRT遺伝子座におけるin vivo体細胞突然変異の研究を通じて判明している。その多くはloss of heterozygosity(LOH)による。しかし、3人のAPRT欠損のヘテロ接合体の個体においてはLOHが全く起こっていず、この場所のゲノムインプリントが示唆された。詳細な遺伝的検討により、この場所にはゲノムインプリントは無いが、この3人には特殊な欠失突然変異が起きており、その遺伝子変化がLOHを抑制していることが判明した。選択的PCRやinverse PCRの手法により、このLOHを抑制するジャームライン遺伝子の変化を検討した結果、この遺伝子(APRT^*delとする)はintron4より欠失がおき、未知の配列に結合していた。この結合部位の配列決定により欠失の長さは少なくとも2000bpであり、この間にある重要な遺伝子(仮に、LOH-supporter gene:LSGとする)を消失していた。即ち、ジャームラインにおいてLSG遺伝子が損傷していれば(ヘテロ接合体)、これとは別の染色体におけるこの部分のLOHが抑制される。この新しい現象の発見は極めて広い応用が考えられる。LSGは染色体上の種々の場所に存在すると予想されるので、癌抑制遺伝子が損傷されている時に、それと近傍で同じ染色体上のLSGを壊す遺伝子治療によりLOHが抑制できる。そのような遺伝子治療は癌多発家系に応用可能であろう。また、このような変異は癌が稀にしか発生しないような家系の遺伝的メカニズムを説明するかも知れない。
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