研究課題/領域番号 |
07457129
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | (財)冲中記念成人病研究所 |
研究代表者 |
紫芝 良昌 (財)冲中記念成人病研究所, 主任研究員 (00072596)
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研究分担者 |
高橋 国太郎 明治薬科大学, 分子生物学, 教授 (10010034)
清水 多恵子 (財)冲中記念成人病研究所, 主任研究員
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キーワード | 低K血症性周期性四肢麻痺 / 高K血症性周期性四肢麻痺 / イオンチャンネル / MyoD遺伝子 / TTX感受性Naチャンネル / ミオシン / 線維芽細胞 |
研究概要 |
(背景)周期性四肢麻痺は日本で数多く見られる疾患で、最近、低K血症性家族性周期性四肢麻痺ではCaチャンネルをコードする遺伝子(第一染色体)に変異のあることが、高K血症性家族性周期性四肢麻痺ではTTX感受性Naチャンネルをコードする遺伝子に異常のあることが明らかにされた。 (これまでの研究成果)我々はこの疾患の2症例について、筋生検に同意が得られなかった事から、皮膚生検により線維芽細胞を得、これにMyoDをtransfectして培養し、皮膚線維芽細胞に筋形質を強制発現した状態でNachannelが発現するかどうかをRT-PCRで検討し、症例で発現を見た。 (今回の研究の目的)高カリウム血症性周期性四肢麻痺の2症例につき、線維芽細胞に筋形質を強制発現させ、筋生検を行うことなしに筋の異常を検出する可能性を一般化することを計画した。 (方法)ニハトリ筋形質誘導因子(MyoD)DNAを正順にプラスミドに組み込みリポフェクチンによりトランスフェクトした。線維芽細胞からmRNAを抽出しcDANを作成した。TTX感受性Naチャンネル、TTX非感受性Naチャンネル、胎児型ミオシン、成人型ミオシン、について特異性の高い部位を用いてprimerをつくり、^<32>Pで標識しRT-PCRをおこなった。 (成績)2例の患者ともに線維芽細胞はTTX非感受性NaチャンネルのmRNAを発現していた。正常の線維芽細胞では一例もこの様な現象は見られなかった。MyoDをトランスフェクトした患者の線維芽細胞にTTX感受性NaチャンネルのmRNAが発現しているのが観察された。正常の線維芽細胞ではTTX感受性NaチャンネルのmRNAの発現は見られなかった。トランスフェクシヨンの操作を行った線維芽細胞はMyoDがあってもなくても胎児型ミオシンのmRNAを発現した。これを更に詳細に検討するためには、transfectionの効率と再現性を高める必要があり、このためには従来のCaP法やリポフェクチン法では不十分でリポフェクタミン、アデノウイルスを使用する方法について検討中である。
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