研究課題/領域番号 |
07457134
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川野 淳 大阪大学, 医学部, 講師 (60133138)
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研究分担者 |
小林 一三 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
竹井 謙之 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
辻 晋吾 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
永野 公一 大阪大学, 医学部, 助手 (60237542)
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キーワード | 消化管粘膜 / 増殖 / 分化 / 癌化 / 3次元組織培養 / 上皮間質相互作用 / 線維芽細胞増殖分化促進因子 |
研究概要 |
1)3次元培養による消化管粘膜組織培養モデルの開発 申請書に詳述した3次元培養システムで様々の上皮細胞や線維芽細胞を用いて検討を行った。その結果、いずれの線維芽細胞を用いても上皮細胞の生存が促進されたが、上皮細胞については線維芽細胞の生存や形態変化を促進する(FDF活性)ものとしないものが認められた。前者に属する上皮細胞は一般にトランスフォームしていないものが多く、後者の性質を持つ上皮細胞にはトランスフォームしたものが多かった。このことから、細胞が癌化するにつれてFDF活性を失うとともに細胞間相互作用も失われ、本来の組織構築や機能を喪失していく過程が推測された。 2)線維芽細胞増殖分化促進因子(FDF)の精製 RGM-1細胞によって産生されるFDF活性は、肝類洞の伊東細胞の生存や細胞突起の形成を促進し、神経細胞(PC-12)の神経突起の伸張を促すなど、多彩な生物学的作用を有することが明らかになった。このFDF活性の精製を行うため、ローラーボトルとマイクロキャリヤ-を用いてRGM-1細胞の大量培養を行い、30Lの無血清培養上清を得た。大容量限外濾過装置を用いて濃縮した培養上清を、各種カラムを装着したFPLCにかけて精製を行った。最終精製産物をSDSポリアクリルアミドで電気泳動にかけ、銀染色を行ったところ数本のバンドが確認され、そのうち30kDaに位置するバンドがFDF活性を有することが判明した。この活性は、中和抗体やウエスタンブロットを用いてPDGFをはじめとする既知の増殖因子との異同を検討したが、いずれの抗体にても活性が中和されず、ウエスタンブロットでもバンドが確認できなかったので、新規の増殖因子である可能性が高い。
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