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1996 年度 実績報告書

自己免疫性肝炎I型、II型、III型、IV型に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07457137
研究機関香川医科大学

研究代表者

西岡 幹夫  香川医科大学, 医学部, 教授 (30034937)

研究分担者 有馬 啓治  香川医科大学, 医学部, 助手 (50212650)
渡辺 精四郎  香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00158635)
キーワード自己免疫性肝炎 / 慢性肝炎 / C型肝炎 / 自己抗体 / 抗核抗体 / 抗LKM1抗体 / 抗SLA抗体 / 抗平滑筋抗体
研究概要

最近、自己免疫性肝炎(AIH)には自己抗体によってI型(抗核抗体陽性)、II型(LKM1抗体陽性)ならびにIII型(抗SLA抗体陽性)に分類されつつあり、IV型(平滑筋抗体陽性)の存在も古くから指摘されている。しかしわが国ではAIH II,III型症例の実態は明らかでなく、従ってその治療法も確立されていない。
昨年はII型症例が慢性C型肝炎の3%に認められること、これらの中にはC型肝炎ウイルス遺伝子のNS5領域の変異が多い症例があり、これらはインターフェロンに有効であることなどを報告した。今年も症例を増し追試を行った。
今年はIII型症例に主力をおいた。まず、各施設からAIH症例、78例を集めて、Mannsらの方法でAnti-SLAを検討した。その5%に陽性症例が認められたがその他の肝疾患463例ではB型肝炎の1.4%のみであった。健康正常人ではいずれも陰性であり、Anti-SLAは肝疾患とくにAIHに特異性のある自己抗体と思われた。これら陽性症例の臨床的特徴を検討したところいずれも中年女性でHLAタイプはI型と同じDR4をもち、その他、Anti-SLA陰性AIH症例群との間に特に差は見いだせなかった。また、5症例中2症例にステロイドホルモン療法を施行したところいずれも有効であった。Anti-SLAはAIHに特徴的な自己抗体と思われるが、臨床的にはANA陽性AIHと差はなく、AIH III型は独立疾患とは思えない。
抗SLA抗体の対応抗原に関するWestern blotによる検討から42〜52KDに反映バンドを認め、これらはサイトケラチン8や18に相当するものと考えられた。しかしながら個々の症例でblot像が異なり、今後、対応抗原の解析が必要と思われた。
平滑筋抗体陽性症例つまりAIH IV型については、成人例が稀に存在するが、これも症例数を増し検討する必要があろう。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] S.A.Morshed: "Autoantibodies and Liver Disease : Theories and Hypothese to their Relevance in Autoimmunity" Minophagen Medical Review. 41. 284-289 (1996)

  • [文献書誌] 河野 一美: "抗LKM1抗体陽性C型慢性肝炎患者の臨床像とインターフェロン治療" 肝臓. 37. 61-69 (1996)

  • [文献書誌] 舟木 利治: "非B非C型慢性肝炎の臨床的検討" 岡山医学会雑誌. 108. 187-188 (1996)

  • [文献書誌] 西岡 幹夫: "自己免疫性肝炎II型、III型の検討" 厚生省特定疾患難治性の肝疾患調査研究班平成7年度研究報告. 16-18 (1996)

  • [文献書誌] T.Funaki: "Identification and Characterization of a 230-KDa Golgi-associated Protein Recognized by Autoantibodies from a Patient with HBV Hepatitis" Cell Structure and Function. 21. 63-72 (1996)

  • [文献書誌] S.A.Morshed: "Cytokines and adhesion molecules correlate with autoantibodies in autoimmue hepatitis and chronic hepatitis-C" 消化器と免疫. 32. 125-130 (1996)

  • [文献書誌] 西岡 幹夫: "自己免疫性肝疾患 -その病態と治療-" (株)新興医学出版社, 2 (1996)

  • [文献書誌] 有馬 啓治: "自己免疫性肝疾患 -その病態と治療-" (株)新興医学出版社, 6 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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