研究課題/領域番号 |
07457144
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
志村 早苗 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (20154312)
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研究分担者 |
角田 康典 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80142933)
岡山 博 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10160730)
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キーワード | 気道上皮細胞 / 気道粘膜下腺細胞 / 気道平滑筋細胞 / 気道神経節細胞 / 細胞膜電位 / イオンチャンネル / 細胞内セカンドメッセンジャー |
研究概要 |
ネコ、ウサギなど実験動物の気管から気道上皮細胞、粘膜下腺細胞、平滑筋および神経節を単離して、酵素処理によって各々の細胞標本を作成、パッチクランプ法を用いて細胞膜電流応答および細胞内セカンドメッセンジャーの役割について検索し、次の成績を得た。ウサギの気道上皮細胞ではcAMPに感受性のクロライドチャンネル(CFTR)が機能しておらず、主に、Ca^<2+>感受性のクロライドチャンネルが働いている。そして、上皮細胞のうち、無線毛細胞がクロライド電流を生じさせ、繊毛細胞ではクロライド電流がみられない。ウサギのSO_2暴露による慢性気管支炎モデルではCFTRが新しく出現、機能していることが、電気生理学的方法のみならず、免疫組織学および遺伝子学的方法で明らかにされた。粘膜下線細胞では主にCa^<2+>感受性のクロライドチャンネルが働いてクロライド電流が生じる。その細胞内機序としてはIP_3感受性のCa^<2+>プールからのCa^<2+>遊離により内腔側膜のクロライドチャンネルが開き、クロライド電流が生じる。さらに、cADPribose (cADPR)感受性のCa^<2+>プールからのCa^<2+>遊離により底部側のカリウムチャンネルが開き、クロライド電流を維持させる。加えて、cADPRの酵素であるCD38の存在がWestern blot法で確認された。気道平滑筋細胞ではメサコリンでは脱分極するが、ヒスタミンおよびエンドセリン刺激では過分極を生じる。その際、遅延整流型カリウムチャンネル(K_<DR>)が大きな役割をもつことが明らかになった。気道平滑筋細胞にはCD38がみられず、IP^3-Ca^<2+>が細胞内セカンドメッセンジャーの役割を果たしていると考えられた。神経節細胞にはGABA受容体で活性化されるクロライド電流およびクロライドチャンネルが機能している。
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