研究課題/領域番号 |
07457145
|
研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
松川 茂 福井医科大学, 医学部, 助教授 (00092809)
|
研究分担者 |
飴島 慎吾 福井医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (60262614)
石崎 武志 福井医科大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80151364)
|
キーワード | NO関連ラジカル / O_2^- / 肺傷害 / キサンチンオキシダーゼ |
研究概要 |
NOとO_2^-との肺毒性を検討すべく摘出かん流肺に外因性NOと高濃度酸素吸入を投与した。 40%O_2(Fio20.4)十NOC7(NOドナー)100μM投与によって60分後には肺湿重量の増加、かん流液LDH活性の上昇に代表される急性肺傷害を生じた。そして、かん流液中NO_2^-がNO_3^-よりも増加した。95%O_2吸入単独群、95%O_2+NOC100μM群、95%O_2十NOC50μM群、40%O_2十NOC50μM群、40%O_2+NOC10μM群、NOC100μM群、ONOO^-320μM群はいずれもコントロール群に比べ有意の変化をみなかった。NO_2^-値の推移も40%O_2+NOC100μMでもっとも高値を示した。この成績は当初ONOO^-が本実験モデルで傷害性に働くであろうと言う可能性を支持するものではなく、NO_2^-に代表される他のNO関連物質が肺傷害性に働いている可能性を示唆するものと思われた。 培養肺動脈血管内皮細胞を肺傷害物質であるロイコトキシン(リノール酸のエポキシド、以下Lxと略)とインキュベートすると即時的にO_2^-を生成した。Hydroethidineがethidium bromideへO_2^-によって変換される程度からLxのO_2^-生成能を検討すると、100μMLxは200μM相当のH_2O_2に一致する。このLxによるO_2^-生成能はインドメタシン、SOD、LNMMA非感受性でアロプリノール感受性であった。同時に血管内皮細胞からの^<51>Cr放出能を検討すると、Lxの投与量に依存して^<51>Cr放出能は増加し、アロプリノール前処置によってその増加は抑制された。すなわち、Lxは細胞内キサンチンオキシダーゼを刺激しO_2^-を生成し、細胞傷害性に働くものと考えられた。 以上、O_2^-、NO関連ラジカルの急性肺傷害効果を実験的に検討し、将来の治療戦略のヒントとなり得る治験を得た。
|