研究課題/領域番号 |
07457148
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
阿部 庄作 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60113510)
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研究分担者 |
平澤 路生 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90264530)
四十坊 典晴 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70231355)
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キーワード | 肺癌 / 浸潤・転移能 / 新生血管 / 微小転移巣 / インテグリン / サイトケラチン |
研究概要 |
肺癌の浸潤・転移能と微小な遠隔転移病巣の検出について研究してきた。浸潤・転移能の指標として肺癌細胞の増殖能、細胞外マトリックス分解能、血管内皮細胞との接着能がそれぞれ関与していることを示したが、血管新生との関連について検討した。ヒト肺腺癌組織を用い、免疫組織化学的に検討し、腫瘍新生血管増生と所属リンパ節転移との間には有為な正の相関が見られ、腫瘍新生血管の増生率は肺癌の浸潤・転移能の有用な臨床的指標になることを示した。インテグリンα6β4はカテプシンBの発現と正の相関を示した。現在の画像診断では描出しがたい微小な転移病巣の検出として、肺癌患者の骨髄中の腫瘍細胞を抗サイトケラチン18モノクローナル抗体を用いた免疫組織化学的染色により検討すると、病理病期の進行したIIIA期では70%、IIIB期とIV期では100%と非常に高率に検出され、骨髄中のサイトケラチン陽性細胞の検討は肺癌の微小な転移病巣検出に有用となる可能性が示された。この検出率は肺癌の組織型と関係なく、同様な成績であった。遠隔転移を臨床的に見いだし得ない病理病期I期肺癌のサイトケラチン陽性細胞の検出率は腺癌で40%、扁平上皮癌で35%であり、肺癌では早期より遠隔転移の存在する可能性が示された。肺腺癌患者の骨髄中のサイトケラチン陽性細胞と腺癌細胞のインテグリン発現との関連を見ると、サントケラチン陽性の肺癌ではインテグリンα2鎖の発現の増加を認めた。α2鎖の発現の増加は肺癌の浸潤・転移に関与していることを示し得た。
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