研究課題/領域番号 |
07457148
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
阿部 庄作 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60113510)
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研究分担者 |
平澤 路生 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90264530)
四十坊 典晴 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70231355)
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キーワード | 肺癌 / 浸潤・転移 / 微小転移巣 / インテグリン / カテプシンB / サイトケラチン18 |
研究概要 |
肺癌、とくに排非小細胞癌の細胞分子生物学的特性からみた悪性度、予後因子、遠隔転移巣形成の指標、Occult metastatic lesionの検出について研究してきた。肺癌の予後因子としては細胞外マトリックスの分解酵素であるカプシンBの発現量の多さが有力な指標となることを示した。遠隔転移巣の形成と細胞接着分子との関連について、肺癌細胞株を用いた研究によりインテグリンα_2、α_3、α_5、α_6、α_v分子の発現率が有意に関連していた。さらに、カテプシンBの発現量との関連を抗インテグリン抗体のブロックによるカテプシンBの発現の変化を検討し、肺癌細胞のインテグリンα_6β_4がカテプシンBの発現と有意な正の相関を示すことを明らかにした。ついで、臨床的に見いだし得ない微小な遠隔転移の検出を目的に、肺癌患者の骨髄液中の腫瘍細胞の検出を抗サイトケラチン18モノクローナル抗体を用いた方法で行った。遠隔転移がないとされる病期I期の肺非小細胞癌の32.3%に陽性細胞を認めた。occult metastatic lesionの存在を確認し得た。インテグリンの発現と骨髄液中のサイトケラチン18陽性細胞の検出率はα_2β_1インテグリンを発現している肺癌で有意に高率に(73.3%)検出し得た。原発巣でα_2分子を発現している肺癌のすべての転移巣でも同様に発現していた。肺癌の微小転移巣の検出にサイトケラチン18モノクローナル抗体による方法は精度が高く、臨床的に有用であることが示された。
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