研究課題/領域番号 |
07457158
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
植木 彰 自治医科大学, 医学部, 助教授 (90112622)
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研究分担者 |
水谷 俊雄 東京都老人総合研究所, 神経病理, 部長 (40124416)
大塚 美恵子 自治医科大学, 医学部, 講師 (30194210)
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キーワード | アポリポ蛋白E-ε4 / アルツハイマー病 / 神経病理 |
研究概要 |
目的)アルツハイマー病(AD)の危険因子であるアポ蛋白E (apoE)-ε4 alleleのAD発症における意義を検討するため、ADの脳病理所見(アミロイドβ蛋白蓄積量、神経原線維変化の量、神経細胞消失の程度)、臨床症状(発症年齢、重症度、進行速度)、およびアポリポ蛋白E遺伝子型の対比をおこなった。 方法)DNAはホルマリン固定10μ厚の脳切片5枚をキシレンにて脱パラフィンを行い、エタノールで洗浄後、Tris EDTA buffer中にてproteinase Kで蛋白を融解して得る。DNAを用いてapoEのエクソン4をPCRにて増幅し、得られたPCR産物を制限酵素Hha Iにて切断してapoE遺伝子型を決定する。病理学的検索はADおよび正常老人脳について老人斑、神経原線維変化、アミロイドアンギオパシー、神経細胞の消失について、分布・数・大きさなどを定量的に評価する。臨床症状は心療録にもとずく。 結果)パラフィン切片よりDNAを抽出し、apoEのPCR産物を得ることが出来た。しかし、PCR産物を制限酵素Hha Iにて切断する段階になると異常なDNA切断片が混入し、apoE遺伝子型を明確に判定できない症例が多かった。これまでアルツハイマー病(AD) : 3、アルツハイマー型老年痴呆(SDAT) : 4、老人斑が多いだけでADまたはSDATとはいえないもの: 4、疾患対照:4 (パーキンソン病2、OPCA1、 MSA1)、正常対照:2を検索したがパラフィン切片のみから確実にapoE遺伝子型が判定できたのは4例のみであり、グループ間の差を検討できる段階ではない。 考察)本研究はパラフィン切片からのDNAでapoE遺伝子型を判定する段階が重要な点であるが、残念ながらDNA抽出が安定せず、ホルマリン固定の際のバッファーの有無が関係していると考えられる。当初の計画より遅れているが、現在、proteinase K消化の段階で0.025%SDSを加え、さらにmicro-concentrator tubeを用いてSDSを除去したのちPCRをかける方法を検討しており、確実なデータが得られると考える。
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