研究課題/領域番号 |
07457161
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
新見 英幸 国立循環器病センター研究所, 共通実験室, 室長 (50026134)
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研究分担者 |
沢田 徹 国立循環器病センター研究所, 脳血管内科, 部長
山口 三郎 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室長 (00182436)
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キーワード | 脳微小循環動態 / 微小血管ネットワーク / 血流可視化 / 生体ビデオ顕微鏡 / 微小血栓 |
研究概要 |
微小血栓による脳微小血管閉塞に伴って、脳微小循環動態がどの様に変化するかを、猫(あるいはラット)脳皮質の微小血管ネットワークを流れる血球を直接観察分析する方法により、脳細動脈吻合(アーケード状構造)の存在を考慮し、脳微小循環動態を血流分配の面から研究した。ネコあるいはラットの頭蓋にCranial windowを装着し、脳皮質の微小循環を螢光ビデオ顕微鏡システムを用いて、直接観察・記録した。螢光ラベル法を用いて、微小血管、赤血球およびMicrosphere(MS:微小血栓モデル)を可視化し、そのビデオ画像から血管径変化(血管拡張)や粒子運動を追及した。血行動態パラメーターは、頸動脈の圧および血流の同時計測から求めた。 ネコ脳皮質の微小循環のビデオ画像を解析し、次の結果が得られた。i)MSの上流側の細動脈は次第に拡大(血管拡張)し、MSは(自分自身の径より)小さい径の細動脈も通過し得る、ii)MSの後部に血流停滞がおこるが、この影響はその血管部位(segment)に限定されている。 ネコ脳皮質には確かに細動脈アーケイドが存在し、この一部の細動脈が閉塞しても、血液は他の血管部位(segment)から回流することができる多重流路(Muitiple Pathway)が働く事実が証明され、臨床的にも意義ある結果を得た。しかし、ネコの特殊な血管構造とも考えられるので、今後、サル脳の実験を含めて、さらに検討する必要がある。
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