研究課題/領域番号 |
07457170
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
葛谷 恒彦 大阪大学, 医学部, 助教授 (80150340)
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研究分担者 |
西田 昌司 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
星田 四朗 大阪大学, 医学部, 助手 (80238732)
多田 道彦 大阪大学, 医学部, 教授 (90093434)
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キーワード | 酸素ラジカル / 心筋細胞 / 心筋虚血 / ストレス蛋白 / ラジカルスカベンジャー / サイトカイン |
研究概要 |
本申請研究においては、機械的、化学的、遺伝的負荷に対する心臓のストレス応答を、心筋の内因性機能蛋白質の発現調節との関連から検討してきた。血球成分、血管壁成分を除いた培養心筋細胞の系において、低酸素・無酸素-再酸素化負荷、または、炎症性サイトカイン負荷によって、ミトコンドリアのマンガンスーパーオキシドジスムターゼ(Mn-SOD)、heat shock proteinである、HSP72、誘導型NO合成酵素(iNOS)の誘導が認められた。アンチセンスオリゴデオキシリボヌクレオチドを用いた検討により、Mn-SOD誘導が続発する致死的低酸素-再酸素化負荷に対する耐性獲得に直接寄与していること、iNOS誘導による再酸素化時の大量のNO産生は、心筋細胞のラジカル消去酵素グルタチオンペルオキシダーゼ活性の抑制をもたらし心筋細胞障害を増大させること、HSP72は、誘導は時間経過などより心筋保護には直接関与しないことなどを見出した。これらの蛋白質の低酸素-再酸素化時における誘導には、活性酸素分子種の発生、さらに、続発するサイトカインのパラクリン、オートクリン機構が関与している可能性を示す成績をも得ている。これらの結果は、酸素分圧変化により蛋白質の転写レベルでの共通の誘導機構が存在するものの、個々の蛋白質の役割に関しては各々異なった役割を担っているものと思われる。現在、ラットのin vivoにおける心筋保護効果への応用を含め検討を継続中である。
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