研究課題/領域番号 |
07457170
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
葛谷 恒彦 大阪大学, 医学部, 助教授 (80150340)
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研究分担者 |
山下 宣繁 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
西田 昌司 大阪大学, 医学部, 助手 (40283783)
星田 四朗 大阪大学, 医学部, 助手 (80238732)
多田 道彦 大阪大学, 医学部, 教授 (90093434)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 心筋細胞 / 虚血 / 再灌流 / 酸化的ストレス / 一酸化窒素 / 活性酸素 / グルタチオンペルオキシダーゼ |
研究概要 |
近年新たに同定された活性酸素分子種である一酸化窒素(NO)が、グアニレートシクラーゼ活性化、ラジカル反応を介したパーオキシニトライト生成、または、ニトロソ化反応を介した内因性活性酸素代謝酵素の活性修飾により、虚血-再潅流における心筋細胞障害を修飾する可能性を検討した。ラット新生仔由来の培養心筋細胞にて、グリース試薬反応を用い、心筋細胞のNO産生能を検討すると、心筋細胞は、NO合成酵素の基質であるLアルギニンの存在下に、NOの基礎産生能を有した。かかる心筋細胞によるNO産生は、サイトカイン(IL-1b)刺激下に、iNOSmRNA及び蛋白誘導とともに著明に亢進した。心筋細胞は、模擬虚血-再潅流(低酸素負荷-再酸素化)中にもNOを産生し、NO産生量と低酸素負荷後の細胞障害の程度(creatine kinase遊出)には著明な相関を認めた。NOにより、心筋細胞中のcGMP含量は増大したが、cGMP類似体は低酸素負荷-再酸素化による細胞障害には影響しなかった。抗ニトロチロシン抗体を用いた免疫組織化学染色では、今回の培養心筋細胞における低酸素-再酸素化系においてペルオキシニトライト生成を認めなかった。一方、酵素学的実験において、NOが内因性活性酸素消去酵素酵素、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPX)活性を特異的に阻害することを見いだした。腫瘍細胞株、培養心筋細胞においても、NO合成酵素に由来する内因性のNOがGPX活性を阻害することを見いだした。以上より、心筋細胞より産生されるNOは、GPX活性阻害を介して虚血-再灌流時の活性酸素による細胞障害を増悪させる可能性が示唆された。
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