研究課題/領域番号 |
07457172
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
上野 光 九州大学, 医学部, 講師 (50260378)
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研究分担者 |
居石 克夫 九州大学, 医学部, 教授 (70108710)
瀬戸口 靖弘 順天堂大学, 医学部, 助手 (90206649)
筒井 裕之 九州大学, 医学部, 助手 (70264017)
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キーワード | 組換えアデノウイルス / 生体内遺伝子導入 / 遺伝子治療 / 分子生物学 / 傷害血管 / 動脈硬化 / 再狭窄 / 冠動脈 |
研究概要 |
#1:申請者は組換えアデノウイルスを用いて経皮的アプローチによる血管壁細胞および親近細胞への高効率遺伝子導入技術の開発に成功した。大型動物を用いてその有効性と安全性を確認し、さらに投与時期の検討や反復投与の有効性、中和抗体の出現と遺伝子発現レベルの関係など種々の基礎データを集積し、論文3編にまとめ発表した。 #2:申請者は組換えアデノウイルスの作成技術を習得し、本研究遂行に必要な各種組換えアデノウイルスの作成に独自に成功した(昨年計画した組換えアデノウイルスはほぼすべて作成を終了した)。 #3:細胞外マトリックスの産生を亢進するTGF-βの作用を抑制するため、ヒトII型GF-β受容体を膜貫通部直下で切断した変異型受容体cDNAを作成し組換えアデノウイルスに組み込んだ。培養細胞を用いた実験において、少量のウイルスでTGF-βの多種多様な信号伝達をいずれも完全に抑制することに成功した(論文印刷中)。血管壁のみならず、各臓器での線維性増殖性病変の遺伝子治療をめざして動物実験を開始した。 #4:機能抑制型Ras遺伝子発現アデノウイルス、細胞周期進行抑制遺伝子(Cycin-dependentkinase Inhibitor-p21^<WAF1/Sdi1/Cip1>)を作成した。培養血管平滑筋細胞に導入すると、いずれのウイルスでも血清増殖因子による平滑筋細胞のDNA合成は完全に抑制された。そこでバルーンで障害を加えたラットけい頚動脈に導入したところ、2週間後に形成される新生内膜肥厚を有意に抑制することに成功した(論文投稿中)。ひき続きウサギでも確認中である。 #5:組換えアデノウイルス導入法の改良を試み、ウイルス液にある種の化学物質を混入することで約3-10倍導入効果をあげることに成功した(論文準備中)。 #6:ブタを用いて冠動脈への遺伝子導入の基礎実験を行なった。
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