研究課題/領域番号 |
07457173
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
下川 宏明 九州大学, 医学部, 助教授 (00235681)
|
研究分担者 |
毛利 正博 九州大学, 医学部, 講師 (60264032)
津田 博子 九州大学, 医学部, 助手 (30180003)
丸山 征郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20082282)
居石 克夫 九州大学, 医学部, 教授 (70108710)
|
キーワード | 炎症性サイトカイン / 虚血性心疾患 / 動脈硬化 / 冠動脈攣縮 / 冠動脈血栓 / 心筋梗塞 |
研究概要 |
研究は現在順調に進行している。我々はこれまでに以下に示すような多くの重要な知見を得た。 1.基礎研究 (1)ブタ冠動脈に代表的サイトカインであるインターロイキン-1β(IL-1β)を慢性的に作用させると、2-4週間後に冠動脈のリモデリング(血管断面積の減少)・内膜肥膜・過収縮反応を伴う冠動脈病変が惹起されることを明らかにした。 (2)同様の冠動脈病変は、他の代表的炎症性サイトカインであるインターロイキン-1α(IL-1α)や腫瘍壊死因子(TNF-α)の慢性投与によっても生じた。 (3)これらの炎症性/増殖性冠動脈病変では、ミオシン重鎖の脱分化方向への形質変換が等しく認められた。 (4)IL-1βの慢性投与により惹起される冠動脈病変は、血小板由来増殖因子(PDGF)や線維芽細胞増殖因子-2(FGF-2)の中和抗体の同時投与により抑制されたところから、その病変の成立にPDFやFGF-2が重要な関与をしていることが示唆された。 (5)また、IL-1βの慢性投与により惹起される冠動脈病変は選択的チロシンキナーゼ阻害剤であるST-638の同時投与によって著明に抑制されたところから、チロシンキナーゼの活性化が重要な役割を果たしていることが示唆された。 (6)炎症性冠動脈病変部で生じる冠動脈過収縮反応の成立には、プロテインキナーゼCを介する経路の関与が重要であることを認めた。 2.臨床研究 (1)急性心筋梗塞の経過において、末梢血レベルで一過性に増加するサイトカインと持続的に増加するサイトカインがあることを明らかにした。 (2)狭心症患者では、動脈硬化促進作用を有するマクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)が増加し、抑制性のサイトカインであるTGF-βが減少していることを明らかにした。
|