研究課題/領域番号 |
07457193
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
溝口 昌子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (30010250)
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研究分担者 |
前田 敏郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (80278027)
高浜 英人 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (90267633)
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キーワード | アトピー性皮膚炎 / T細胞クロナリティー / RT-PCR / SSCP |
研究概要 |
〔はじめに〕前年度は、2カ所の離れたアトピー性皮膚炎病変部から皮膚を採取し、病変部に浸潤するT細胞レセプターをRT-PCR/SSCP法により解析した。その結果、T細胞レセプターVβにつき2カ所の病変部に共通のバンドが認められ、T細胞がオリゴクローナルに集積していることを明らかにした。この時点では何らかの抗原に特異的に反応したT細胞であることを推測するにとどまった。 〔目的〕今回はダニに特異的なT細胞の浸潤が病変部にあるかを検討することを目的にした。 〔方法〕患者3例の末梢単核球をヤクヒョウダニの粗抗原と共に培養し、同様にRT-PCR/SSCPを行った。同じ患者の皮膚より抽出し、RT-PCRの皮膚より増幅したPCR産物とし、先の皮膚由来PCR産物と共にSSCPを行い共通のバンドがみられるかを検討した。同時にゲル中のDNAを抽出し塩基配列の分析を行った。 〔結果〕3例の患者のうち2例のVβに共通のバンドがみられたため、このバンドからDNAを抽出し、シ-エンスアナライザーにかけたところ、CDR3領域の塩基配列が完全に一致した。 〔考察〕以上の結果から、アトピー性皮膚炎の病変部にはオリゴクローナルなT細胞の集積があり、ダニはクローナルに増殖したT細胞の特異的抗原の1つである可能性を示唆している。今後、抗原特異的T細胞レセプターの構造類似の物質を作製し、抗原提示細胞上のペプタイドと反応させることにより治療に応用できる可能性も考えられた。
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