研究概要 |
5cm×5cmの単位センサの試作に成功した。これはC-MOSフォトダイオードチップ,C-MOSチャージアンプおよびC-MOS垂直シフトレジスタ部,C-MOS水平シフトレジスタ部の3種類のチップからなる。受光面のC-MOSフォトダイオードチップは200ミクロン平方のシリコンダイオード素子をウエハ-ス上に微細加工技術により256×256個配列したものである。画像の読みだしは水平,垂直のC-MOSシフトレジスタによって、水平、垂直方向のスイッチを開閉することによって、各素子の電荷をビデオラインに流して行く。この際、水平方向のビデオラインの一本毎にアンプ(C-MOSチャージアンプ)を設けることでノイズの低減を図った。水平方向の走査一回毎に、垂直方向一列の各フォトダイオード中の電荷がチャージアンプに読み込まれ、この積算された電荷を順次スキャンして出力する。読み出し速度は現状では4フレーム/秒,飽和電荷に対するノイズ値は1/5000である。消費電力を低減するため,すべてを5V単一駆動とした。画像処理用の簡易プログラムを作成し、パーソナルコンピュータ上でリアルタイム表示を可能にした。紙シンチレータをファイバープレートを介して密着させ,70KVX線を用いて撮像した結果、良好なリアルタイム画質が得られた。光子検出率約70%であった。空間分解能用チャートを撮影した結果、センサのフォトダイオードピッチである200μの理論限界値である2.5本/mmを問題なく達成した。また、厚さ1cmのアクリル製バーガーファントム内の直径0.8mm、深さ0.5mmの穴を分解することができた。これは同時に計測した空間分解能200μのCR用イメージングプレートに比較して優れていた。
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