研究課題/領域番号 |
07457199
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小西 淳二 京都大学, 医学研究科, 教授 (70026970)
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研究分担者 |
藤林 康久 京都大学, 薬学部, 助教授 (50165411)
阪原 晴海 京都大学, 医学部, 講師 (10187031)
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キーワード | アンチセンスオリゴヌクレオチド / 遺伝子イメージング / In-111 / C-erbB-2 |
研究概要 |
メッセンジャーRNAに相補的なオリゴヌクレオチド(アンチセンスオリゴヌクレオチド)をガンマ線放出核種で標識し、標的組織のメッセンジャーRNAの画像化を体外診断の可能性を検討した。 モデルとしてC-erbB-2がん遺伝子を選び、開始コドンを含む15塩基の配列に対応するアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた。P-32標識オリゴヌクレオチドとC-erbB-2遺伝子をNIH3T3細胞に導入したA4細胞とをインキュベートすることにより、アンチセンスオリゴヌクレオチドの塩基配列に特異的な細胞集積性が示された。ガンマ線放出核種であるIn-111(インディウム)でオリゴヌクレオチドを標識するために5′末端をアミノ化したオリゴヌクレオチドを合成し、キレート剤であるbenzy1-EDTAをオリゴヌクレオチドに導入した。オリゴヌクレオチド1分子あたり、平均0.03個のキレートが結合し、In-111標識後の比放射能は3.7kBg/pmolとなった。In-111標識オリゴヌクレオチドは標識後4日間にわたって安定に使用可能であり、ヒト血清中においても蛋白には結合するものの標識体として安定に存在した。一方、p-32標識オリゴヌクレオチドはヒト血清中において20分でほとんど分解された。A4細胞を皮下に移植したヌードマウスにIn-111標識アンチセンスオリゴヌクレオチドを投与したところ、In-111標識センスオリゴヌクレオチドに比較して約2倍の腫瘍集積性が示された。P-32標識オリゴヌクレオチドではアンチセンス鎖とセンス鎖に体内分布に関して差は見られなかった。 今回の検討において、生体内で比較的安定なガンマ線放出核種標識オリゴヌクレオチドを作製することにより、メッセンジャーRNAの体外イメージングの可能性が示された。
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