研究課題/領域番号 |
07457200
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平岡 真寛 京都大学, 医学研究科, 教授 (70173218)
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研究分担者 |
岡嶋 馨 京都大学, 医学研究科, 助手 (90243021)
光森 通英 京都大学, 医学研究科, 助手 (10263089)
永田 靖 京都大学, 医学研究科, 講師 (10228033)
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キーワード | 乳房温存療法 / 局所再発 / CT-Simulation / ブ-スト照射 |
研究概要 |
1)局所再発を生じた臨床症例と治療計画の関連性 1987年から1995年までに当院で術後照射を行った462例について手術断端の状態とブ-スト照射および局所再発の関係について検討した。観察期間の中央値35ヶ月(12-96ヶ月)で8例の局所再発があり、そのリスクは手術断端陽性例で有意に高かった。また、局所再発8例のうち3例はブ-スト照射施行例であり、ブ-スト照射野の辺縁に再発が見られた。これらの症例では原発腫瘍の位置およびサイズを基準にブ-スト照射野が設定されており、手術断端が十分にカバーされていなかった可能性がある。この結果は手術断端を正確に同定した上で適切なブ-スト照射野を設定することの重要性を示唆している。 2)ブ-スト照射における最適照射野設定 1995年1月より同年12月までに75例に対して乳房温存手術時に切除断端部に金属製クリップを4個留置した上でCT-Simulatorの画像上でこれらの座標を取得し、乳房内での切除断端の正確な位置を同定した。さらに組織学的な断端陽性例ではこれらのクリップを全て含む矩形ブ-スト照射野の自動設定を行った。 実際の切除断端と原発腫瘍の位置および大きさとの関係について検討したところ、切除断端と原発部位の位置のずれは原発腫瘍のサイズとは相関するが、切除断端の拡がりは原発腫瘍のサイズとは相関しないことが明らかになった。また、原発腫瘍の位置および大きさを基準にした従来のブ-スト照射野設定では切除断端が正しくカバーされない場合があった。ただし自動設定されたブ-スト照射野は従来法で設定された場合に比べて有為にサイズが大きく、照射の副作用の観点からは好ましくない。このため留置する金属クリップの形状をそれぞれ異なるものにして切除標本の断端面と一対一対応させることにより、断端のうち腫瘍細胞陽性の部分のみに選択的にブ-スト照射を加える試みが進行中である。
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