研究課題/領域番号 |
07457206
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小山 司 北海道大学, 医学部, 教授 (10113557)
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研究分担者 |
小田垣 雄二 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (10221160)
大森 哲郎 北海道大学, 医学部, 助教授 (00221135)
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キーワード | Schizophrenia / Methamphetamine / Nitric Oxide (NO) / Dopamine |
研究概要 |
覚醒剤精神病は精神分裂病の治療抵抗性、再生脆弱性に示唆を与える病態である。 本研究では、覚醒剤精神病病態モデルとしての行動モデルにおける一酸化窒素(NO)生成の役割について、行動科学的および神経化学的検討を同時に行った。 今年度は、前年度の、NO合成酵素阻害薬が覚醒剤単回投与による、ラットの移所運動促進効果および常同行動誘発効果を減弱させるという知見の神経化学的メカニズムを明らかにするために次の実験を行った。 すなわち、NO合成酵素阻害薬の覚醒剤単回投与による運動促進効果に対する影響を、赤外線センサーを用いて定量し、同一の動物において、線条体での細胞外DA濃度への影響を脳内透析法を用いて検討した。 その結果、以下の知見を得た。 1)覚醒剤単回投与による急性行動効果を、NO合成酵素阻害薬の前投与が有意に抑制した。 2)同時に測定した覚醒剤単回投与による線条体での細胞外DA濃度の増加に対して、NO合成酵素阻害薬の投与は有意な影響を与えなかった。 以上より、NO産生はDA系神経伝達とは別の経路あるいは、DAによるDA受容体刺激以後の神経伝達過程を介して、覚醒剤の急性行動効果発現に関与していることが明らかになった。
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