研究課題/領域番号 |
07457207
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
融 道男 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (20013972)
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研究分担者 |
有波 忠雄 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (10212648)
渡辺 明子 東京医科歯科大学, 医学部, 技官 (40210992)
車地 曉生 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00251504)
澁谷 治男 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (10158959)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 精神分裂病 / 感情障害 / アルコール依存症 / ドーパミンD2受容体遺伝子変異 / MTHFR遺伝子変異 |
研究概要 |
精神分裂病419名、感情障害78名、アルコール依存症393名、対照579名のDNAを用いて変異遺伝子との関連研究を行い、下記の所見を得た。 1、精神分裂病 1)ドーパミンD2受容体遺伝子(DRD2)のSer311Cysは分裂病で保有するものが有意に多く、特に陰性症状のない分裂病で17%の患者が保有し、対照(4%)に比し有意に(p<0.00001)高頻度であった。 2)DRD2のプロモーター領域で-141番目シトシンが挿入(Ins)または欠失(Del)している多型を見出した。分裂病では-141C挿入型対立遺伝子をもつ個体が罹患する可能性が高いことが予想された(OR:0.06、p<0.001)。 3)methylenetetrahydrofolate reductase(MTHFR)遺伝子のAla677Val多型について関連を調べたところ、分裂病にこの多型を有する者が多かった(OR:1.9、p<0.0006)。 2、感情障害 1)DRD2のCys311変異は感情障害全体では7.7%にみられたが、気分と一致しない精神病症状を有する患者に33.3%という高率でこの変異が認められた(p<0.01)。 2)MTHFRの変異遺伝子Val677は大うつ病の患者で対照より高頻度に認められた(OR:2.8、p【double half arrows】0. 3、アルコール依存症 1)DRD2のCys311変異は依存症群で有意に高頻度にみられた(p<0.04)。 2)DRD2の-141C Ins/Del多型-141Ins対立遺伝子の頻度が有意に高かった(p<0.0005)。 3)DRD2のTaqIa1対立遺伝子頻度も依存症群で有意に高かった(p<0.006)。 以上はすべて症-対照関連研究において有意な差を見出したものについてだけまとめたが、これら精神疾患にみられる多様な遺伝子変異は、家族集積を示す複雑遺伝疾患に属する精神疾患の解明を示唆する所見の一端であると思われる。
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