研究課題/領域番号 |
07457211
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
深津 亮 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10113614)
|
研究分担者 |
藤井 充 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80199299)
高畑 直彦 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20000987)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
キーワード | アミロイド前駆体蛋白 / アミロイドβ蛋白 / アルツハイマー病モデル / rab7 / クロロキン / 培養筋細胞 / 細胞内処理過程 / in vitro |
研究概要 |
クロロキン(CQN)を培養筋細胞に添加することによって、アミロイド前駆体蛋白(APP)からアミロイドβ蛋白(Aβ)沈着が惹起されるin vitroの新しいADのモデルを開発することを目的として、以下の検討を加えた。 1.ヒト筋細胞株(CRL7061)を入手して、CQN添加ないし非添加条件にて培養して以下の検討を行った。 1)病理学的検討: (1)組織病理学的検討:CQNを既定の濃度で加えると、核周囲に空胞が出現する。 空胞形成後に変法Gomori染色を施行すると、空胞周囲、空胞内に赤色の顆粒状構造物が認められた。 (2)免疫病理学的検討:CQN添加により形成された空胞は、APP、Aβ抗体で染色された。細胞内小器官に対する抗体を用いて検討すると、ERGIC53では、明瞭な変化は見られなく、galactosyltransferaseでは、一部の空胞が陽性を示した。リソソーム特異蛋白であるrab7やcathepsinDでは、空胞と部分的に一致することが確認された。 2)生化学的検討: CQN非添加条件で培養した細胞の各分画にはamyloidogenic,non-amyloidogenicな断片が多数認められた。4kDa前後のAβと思われる断片がミトコンドリア画分、可溶性画分に極めて弱いながら見出された。CQN添加によって、この4kDa前後の断片はより明瞭となった。 3)分子生物学的検討: APPのmRNAを経時的に測定すると、APPの発現は3時間後から増加を示し9時間後に2.5倍程度増加してピークを示した。 本実験系はAPPからAβ生成機構を解明する際に有用な新しいin vitroのモデルとなることが示された。また、リソソーム経路などの、いわゆる酸性コンパートメントがAPPの分解過程に関与しAβの生成に重要な役割を演じていることを支持する新しい証左を提供するものと考えられる。
|