研究課題/領域番号 |
07457214
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
三浦 貞則 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (70050383)
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研究分担者 |
杉山 健志 北里大学, 医学部, 助手 (80255306)
内海 光朝 北里大学, 医学部, 助手 (30193882)
鈴木 牧彦 北里大学, 医学部, 講師 (90226548)
石郷岡 純 北里大学, 医学部, 講師 (80142412)
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キーワード | ラジオレセプターアッセイ / ベンゾジアゼピン / 抗不安薬 / 睡眠薬 / 記憶機能テスト / 眠気テスト |
研究概要 |
ベンゾジアゼピン(BZ)系薬物の精神運動機能および依存形成に及ぼす影響について、記憶・認知機能と薬物動態の側面から、その病態生理と発生機序を解明しようとする研究である。この目的のため、比較的簡便で臨床研究にも容易に利用できる(1)パソコンを用いた記憶テストプログラム、および(2)Multiple Sleep Latency Test(mSLT)のデータ解析法が新たに開発され、(3)ラジオレセプターアッセイによる血中BZ濃度測定法が確立された。薬物投与試験は、上記測定法に従来からの精神運動機能検査法等を加えた種々の組み合わせで行い、研究目的に応じたパラメータの有用性が検討された。 薬物投与試験はこれまで、健常ボランティアを被験者に、(1)ジアゼパム VS ロラゼパム VS プラセボ、(2)ジアゼパム VS イプサピロン(5-HT_<1A>受容体作動薬) VS プラセボ、(3)アルプラゾラム VS DN-2327(BZ受容体部分作動薬)、(4)L-846(非BZ系BZ受容体作動薬)VSプラセボ、(5)2種の抗アレルギー薬(H_1受容体拮抗薬) VS プラセボ、の各試験が標準臨床用量、二重盲検・無作為化・クロスオーバー法のデザインで実施された。その結果、ロラゼパムはジアゼパムに比し精神運動機能や記憶機能に対する効果がより強力であること、試験対象となった5-HT_<1A>受容体作動薬やH_1受容体拮抗薬はいずれも日中の覚醒度や精神運動機能に影響を及ぼすが、BZ受容体作動薬と異なり、記憶機能に影響しないことが確認された。 BZ系薬物のこれらの作用特性については、用量依存性や血中薬物濃度との関連を含め、今後なお詳細に検討する必要がある。また、耐性の発現様式や依存形成の機序を明らかにするため、患者ボランティアを対象にした長期投与試験が計画されている。
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