研究課題/領域番号 |
07457233
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木谷 照夫 大阪大学, 医学部, 教授 (80028406)
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研究分担者 |
大野 悦子 大阪大学, 医学部, 助手
徳嶺 進洋 大阪大学, 医学部, 助手 (90207564)
待井 隆志 大阪大学, 医学部, 助教授 (50124780)
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キーワード | PNH / 再生不良性貧血 / PIG-A遺伝子 / 造血不全 / GPIアンカー型蛋白 |
研究概要 |
PNHは汎血球減少を伴うことが多く、また、逆に、再生不良性貧血(AA)の経過中にPNHが発症してくる症例(AA-PNH症候群)が存在することが古くから知られている。そこで、ともに造血不全を呈する両疾患の関連性を明らかにし、造血不全発生のメカニズムを明らかにする一助とするため、我々は本邦AA症例において血球表面GPIアンカー型蛋白の欠損とPNH病因遺伝子PIG-Aの変異を検索した。 75例のAA患者末梢血でPNH血球で欠損するGPIアンカー型蛋白であるCD59の発現をFACSで解析した結果、23例。30.7%で欠損血球の存在を認めた。このうち、AA-PNH症候群として把握されていた症例は13例で、残る10例はCD59陰性細胞の存在がこれまで認識されておらず、本邦においても欧米例と同様、今まで考えられてきた以上の高率にAAの経過中にPNHを合併してくることを明らかにした。次にこれらの症例でCD59陰性細胞のPIG-A遺伝子の変異を解析した。解析した10例全例でPIG-A遺伝子の変異が検出され、うち、5例で変異の塩基配列を同定した。5例の変異の部位はそれぞれ異なり、hot spotは検出されなかったが、4例で2塩基以上の変異が起こっており、AAに伴わないPNHでは4分の3以上の症例が1塩基の異常であることを考えると、ONH単独発生例と再生不良性貧血の経過中に合併してくるPNHとはともにPIG-A遺伝子の変異でおこってくるが、そのPIG-Aの変異の出現メカニズムが異なる可能性が考えられる。現在、再生不良性貧血、PNH単独発生例で遺伝子の突然変異発生率を検討している。そして、もし、発生率がたかければそのメカニズムについて検討する準備ができている。
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