natural killer(NK)細胞腫瘍へのEpstein-Barr virus(EBV)感染の有無に関する研究については、急性型のNK細胞腫瘍のほぼすべての症例でEBVの感染が原因である可能性が高くなってきた。一方、慢性型ではEBVの感染はみられないことが多くEBVは原因ではない可能性が高い。 EBVによるNK細胞のtransformationの試みについてはまだ成功していない。当初の計画予想に反してEBVによるNK細胞のtransformationの試みは困難であり、今後は実験計画を検討しなおさねばならないかもしれない。 急性型のNK細胞腫瘍のほぼすべての症例でEBVのレセプターであるCD21抗原が発現していたが、慢性型ではCD21抗原の発現はみられず、CD21抗原の有無でNK細胞腫瘍の性状、予後が決定される可能性がでてきた。 multidrung resistance(MDR)遺伝子の発現と治療法に関する検討については基礎的な研究を行っているところであり、当初の予想よりやや遅れている。その他の研究はほぼ予定通りに進行しているものと思う。
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