研究課題/領域番号 |
07457235
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
溝口 秀昭 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70049021)
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研究分担者 |
和田 眞紀夫 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00240557)
寺村 正尚 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40188686)
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キーワード | 血小板産生 / 巨核球 / 転写因子 / トロンボポエチン |
研究概要 |
(1)巨核芽球性白血病細胞株、Meg-Jにトロンボポエチン(TPO)とインドロカルバゾール系化合物であるK-252aを添加培養すると、多倍体化を伴う成熟巨核球への分化がおこる。この系は巨核球造血の分子生物学的機構を解明する上で、よいモデル系であると考えられる。そこで、この系を用いて巨核球造血に関わる転写因子の検討を行った。TPOとK-252aで刺激したMeg-J細胞において、NF-E2 p45の発現の増強が認められたが、GATA-1、GATA-2、TALの発現については、変化は認められなかった。TPOおよびK-252a添加による多倍体化は、NF-E2のantisense添加により抑制された。sense oligoでは抑制は認められなかった。さらにTPOおよびK-252a添加により認められたGPIbの発現の増強は、NF-E2のantisense添加により抑制された。Sense oligoでは抑制は認められなかった。形態学的にもTPOおよびK2-52a添加によるMeg-J細胞の大型化はNF-E2のAntisense oligo添加によりキャンセルされたが、Sense oligoでは細胞の大型化の抑制は認められなかった。以上の結果より、NF-E2はploidyの増加や血小板糖蛋白の発現に重要な役割を果たしている転写因子であると考えられる。 (2)巨核芽球性白血病においてTPOによるオートクリン増殖機構が存在するかについて検討したが、現在のところそのような機構の存在は認められていない。また、再生不良性貧血患者に対するTPOの臨床応用の可能性を検討する目的で、患者骨髄細胞にTPOを添加して、巨核球コロニーが形成されるかについて検討中である。Preliminaryな結果であるが高濃度のTPO(100μg/ml)を添加すると、少数ながら巨核球コロニーが形成される症例があるという知見を得ており、現在さらに検討中である。
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